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第4話「女王ミリスティア」


 窓も無いのに陽の光に照らされた様に明るい大広間。

 中央には自分の居る入り口から赤い絨毯が一直線に敷かれている。

 絨毯の先には数段程の段差がありその奥に王座と思われる椅子が見える。


 王座には翡翠の様な鮮やかな緑色で腰の下まで届く程に長く艶やかな髪のエルフっぽい女性が座っている。

 その女性は森の純血魔法種のサヴァンと比べると純血の上位魔法種だと自然に納得させられる程、段違いに作り物の様な美しい容姿で深い森の中を思わせる優しいオーラの様なモノを肌で感じさせる。


 王座に座る女性の右側に若い女性が、左側には高齢の男性が立っていて他には誰も見当たらない。

 兵士が立ち並ぶ感じをイメージしていたが違うらしい。


 サヴァンが無言のまま歩き始めたので付いて行くと、段差の前で片膝をつき頭を下げた。

 それを見て、自分も慌てて同じ様に片膝をついて頭を下げる。

 視界の端に、フィーアが自分の隣で立ったまま深々とお辞儀をしているのが見える。


(あれ? もしかして自分も頭を下げるだけで良かったのか?)


 そう考えている時、サヴァンが口を開いた。


「こちらの呼び掛けに応え異世界より新たに召喚された4人目の異界の者を連れて参りました」


「ご苦労様でした、ですが未だ召喚の儀の為に込めた魔力は使い果たしておらず、5人目の異世界の勇士が何時来訪されるか分かりません。早く貴方の執務室へ戻り出迎えの任を継続して下さい」


 サヴァンが立ち上がり足早に立ち去り、扉の所で立ち止まり頭を下げて扉を閉めているのが目に入る

(俺も含めて4人も居るのに、まだ来るんだ……つか置いてかれた?)


「自分で解決しなければいけない問題の対応にお呼びしたのは私達の怠慢です。本来国賓と同等……いえそれ以上なのですから頭を下げる必要はありません。どうか頭をお上げ下さい」


 頭を上げると女性が椅子から立ち上がり頭を下げていた。


「こちらの呼び掛けに応えご来訪頂き感謝致します。私は魔導国家アーカイブの女王ミリスティアと申します。貴方のお名前を聞かせて頂けますか?」


「俺、いえ私は佐倉椿……えーと佐倉が家名で椿が個人名なので、私の事は椿とお呼びください」


 そう言って軽く頭を下げてはみたものの、元々敬語は得意じゃない上に常識が違う異世界で女王相手にどう話せばいいのか分からず、しどろもどろになってしまった。


「では椿様、侵略者はいつ再び現れるか分かっておらず時間がどれだけ残されているのか分かりません。故に手短に説明させて頂きます」


 手短と言った性か割と断片的だった話を要約すると。


 突然様々な姿形の金属製の絡繰仕掛けの軍勢が襲撃を受け、迎撃したものの並の攻撃では効かず足止めにしかならなかったらしい。

 そこで国一番の魔法の使い手である女王が国家魔法師達の中でも上位数名と共に、儀式魔法を使い大規模魔法を使い何とか撃退したものの足止めをしていた軍に、大きな被害を受けた。

 その後、襲撃してきた軍勢の事を調査すると空間の歪みを発見し詳しく調べると異なる世界から転移してきたと発覚し、更にその時空は不安定ですぐには使えないものの未だ向こうと繋がったままで、近い内にまた向こう側からの襲撃が来る可能性が高く、恐らく最初の襲撃は先遣隊の様なもので後続は更に多くの軍勢かより強固な個体が来るのではないか? と言う結論が出た。


 被害の大きい現状で次の襲撃を受ければ、儀式魔法を使えるだけの時間稼ぎも出来ぬまま攻め滅ぼされる、と考え異世界から魔力保有量が多く自国の特殊な魔法具の適性の高い存在に呼び掛け、召喚する事を決断した結果自分達が来たと言う事らしい。


 特殊な魔法具は、その者の性質と異なる力を発現させる事で力を増幅する為、この世界の者より異世界の者の方が桁違いの増幅率を発揮するらしい。


 この世界の者が使っても数倍程度の倍率にしか増幅されないけど、この世界と違う異世界の者はそれだけで十倍は増幅され、最終的に最低でも数十倍は上がる可能性が高いとの試算が出ているらしい。


 らしいと言うのが多いのはそれっぽい単語が出たから予想も含めて言ってるだけで、実際は少し違うのかも知れないが、余り気にならなかったり後で実際に聞けばいいかなー? と後回しにしている。

 そもそも時間が無いから手短にっていいつつ一から説明してくれる女王相手に質問とか出来ないからだったりもする。


「魔装具による補助機能で最低限の効率では魔法を使えますが、流石にそのままでは危険過ぎます。故に魔力の制御をこちらの……」


 左側に立つ高齢の男性が一歩前に出て頭を下げた。


「国家魔法師筆頭のギュンターじゃ、異世界から来たお主らに魔力の扱いを教えさせて貰っておるからの、椿君も魔法に関係する事は儂に聞いてくれ」


 ギュンターは髪が白く立派な髭を生やし黒いローブ来た如何にもイメージ通りの魔法使いと言った姿だ。

 しかし老人と言うには少々若く見え体格もがっしりしている。

 鎧を着ていれば将軍と言われても納得出来そうな程にムキムキだ。


「そしてギュンターがある程度戦える制御力が付いたと判断したら、こちらの魔法戦士隊副隊長に戦い方を教わって頂きます」


 右側に立つ女性が前に出て頭を下げた。


「魔法戦士隊副隊長のキリエだ、次の襲撃に備え動けない隊長に代わり貴殿等を実戦を行える所に案内し教導をする予定だ、未だギュンター殿の許可が下りず、教導は行われていないので、椿殿が出来るだけ早く魔力制御を身に付ける事を期待している」


 キリエを良く見ると犬の耳と尻尾があるので獣人の様な種族なんだろうか? 茶色の髪でポニーテールの堅物な武士娘っぽい女性だ、最も目立つ特長はメロンの様に大きな胸でつい目がいってしまう。

 真剣な表情を崩さず硬い印象だが『期待している』と言った辺りで尻尾が激しく動いてる事から楽しみにしているっぽい。

 内面はそこまで硬く無さそうに感じる……と言うか心の声を想像するとちょっとほっこりする。


「これから椿様には2人と共に、魔法訓練所で先に魔力制御をされてる他の3人の異世界の勇士達の所へ行き、魔力制御の訓練に参加して頂きます」


 ミリスティアが言い終わると2人がこちらに歩み寄ってきた。


「さて、儂に付いて来たまえ、教えられる時間は限られとるんじゃ、時間は有効に使わんとの」


 ギュンターが早々に歩き出したので慌てて後を追った。

時間が掛かってしまいましたが次から次へと修正した方がいいかな?と思う部分が出て来てなかなか執筆が進みませんでした

プロローグの部分は5話では微妙に届かないかも知れません

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