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第47話『ミーシャの最大魔法』

ちょっと更新がズレました。


書いてる途中で急用が入って、元々の予定までに書き上がりませんでした。

本当に申し訳ない。


「どう見ても魔法士な椿がコレなんだから、桜も大差無いんでしょ? だからあたしが2人に魔法の効率的な使い方ってのを教えてあげれば、椿達も助かるでしょうし、更にあたしが椿の練習方法で練習すればしばらくの間は足手纏いにならない筈よ」


 ミーシャが胸を張って自信満々に言って来るが、実際に役に立つのか疑わしい気持ちで微妙な表情になってしまう。


「う~む……悪くないかも知れないのである、ミーシャ殿は諦めが悪そうなのも理由の1つなのであるが、椿殿を教えてる者は既存の魔法を積極的に教えようとして無い様に感じられるのである」


 ギルの言葉は否定し切れないかも。

 キリエは実戦重視だし、ギュンターは新しい手法を期待してか根本的な部分を教えてからは、魔法そのものはノータッチだった。


「教育方針等の面でワザと普通の魔法を教えない様にしてる可能性もあり得るのであるからして、事前に椿殿を教えてる者に確認してからであれば実力向上の助けになるかも知れないのである」


「そうよ! それにこう見えても、いい属性魔法の覚え方も知ってるわよ…………一緒にする相手が居ないから今までやった事無いけど……」


 おふっ、後半になると明後日の方向に遠い目を向けてボッチ臭漂わせている。

 急にミーシャに対して親近感湧いてきた、別に連れていくのにハッキリした問題が出てこない限りは一緒にやってもいい気がしてくるわ。


「あ~、うん一緒に依頼やろう、次が何時になるか今の時点では分からんけど、遅くとも次の休日だからさ」


 ミーシャの肩に手を乗せ頷きながら、ちょっと優しい気持ちで声を掛けた。

 何故かギルも腕を組んで感慨深げに頷いているが、そう言えばギルも割とボッチな方らしき事を言ってたな。


「なに言ってるのよ、依頼の前にみんなで魔法の練習に決まってるでしょ」

「えっ?」


「流石に実戦で魔獣相手にぶっつけ本番な事する訳無いじゃない、危ないでしょ」


 超正論である。

 実際、別に教わりながら魔獣相手にいきなり試す必要なんて全く無いし、俺達は金を稼ぐ為にやる訳じゃ無いので急いで依頼をする意味も無いので、普通に一緒に練習してからでも何の問題も無い。


「むぅ、仲間外れは嫌なのである。

 練習に参加は出来ないのであるが、我輩もご一緒してもいいのであるか?」


「練習した魔法が実戦で使えるか判断出来るでしょうし、いいんじゃないの?」


 ギルの問い掛けに先に応えられた、まぁ納得出来る理由だったので、ギルに無言で頷いて返した。


「あたしも、威力は凄いけど消費が多過ぎて1発使っただけで魔力が空になる上、撃つまでにかなり時間が掛かるって言う実戦じゃ全く使えない魔法もあるし」


「そんな魔法があるのであるか? この後は全部我輩と椿殿で残りをやってしまう事にして、実際に見せて貰いたいのである。

 実戦に使えないにしても、どれだけの威力があるかによっては、我輩達も快く魔法の先生役として同行をお願いし易いのである」


 ギルの言葉に深く頷いて返す。

 普通に使われてる手法を使って威力の高い魔法を見れて、更についでに魔獣相手に自分の練習もやれると言う、正当な理由が出来るんだからギルの提案を遮るメリットは無い。


「もぅ……しょうがないわね、本当に時間掛かるわよ、それに集中してやらないと途中で魔力が足りなくなっちゃうから、絶対邪魔しないでよね」


 言葉では仕方ない風を装いながら、嬉しそうに右手に杖を持って構え、残った左手で懐から更に短い杖らしきものを取り出した。



「じゃあ、いくわよ」


 一言呟くと、右手に持った杖を前に突き出し、杖の先端からゆっくりと大きな魔法陣が展開され始めた。


 最初に身長程の大きさの魔法陣が完成すると、次は2つ目の一回り小さな魔法陣が前方に作られ始める。

 2つ目が出来上がったら、より小さい3つ目が、更に続けて4つ目、5つ目と幾つもの魔力陣が展開されて円錐状に魔法陣が配置されていく。


 10を超えた辺りで、頭より少し大きい位の大きさになって打ち止めになった。



 魔法陣を維持しながら、次は左手の短い杖を構え、杖の先端に真っ赤な魔力の玉を作り始めた。

 最初はピンポン玉位の大きさだったが、じわじわと大きくなっていき、バランスボール位の大きさになると膨張が止まった。



「煉獄の業火で遮るモノを全て焼き貫け! 劫火閃光!!」


 叫ぶと同時に真っ赤な魔法玉を魔法陣に叩き込むと。




 魔法陣を通る間に熱風を放ちながら、魔力玉がより濃い赤になりながら小さくなって、レーザーの様な深紅の光を放ち空高くへ飛んで行った。




 コレは魔法やない、魔砲や。

 いや、最初に圧縮魔力弾を使った時も似たような感じになったけど、速さはともかく威力は段違いな気がする。

 空に浮かぶ雲が消し飛んでるし…………ん? 何か飛んで行った先で一瞬景色が歪んで魔砲が消えたな、何だアレ?。



「これは凄いのである、Aランク魔獣相手でも威力だけならば当たれば十分通用しそうなのである」


「そ……そう……でしょう……あたしだって……この位……やろうと……思えば……出来るのよ……」


 ギルがミーシャを微妙な内容ではあるものの褒め称えているが、ミーシャは膝に手を付き息も絶え絶えである。

 確かに実戦には使えそうに無い、撃つまでに時間が掛かるわ、撃った後は精魂尽き果てた様子でしばらく動けそうに無い。


 何より、時間が掛かるのに超目立って仕方ない。

 どデカい魔法陣はキラキラ輝くわ、真っ赤な魔力玉は周囲を赤く照らして、離れていても目につきそうな目立ち具合だった。

 隠れてやるにも目立ち過ぎである。



「実戦では全く使えなさそうだけど、確かに凄かったな」


「威力だけなら今まで我輩が見てきた中で一番なのである」


 ミーシャは呼吸を荒げ未だに落ち着く様子が無い。

 ちょっと消耗激し過ぎじゃ無いか? 少し心配になって前に回り込み顔を覗き込んだ。


「なによ……別にちょっと……一気に魔力を……使い過ぎて……疲れただけ……なんだから……体力が無い……訳じゃない……わよ……」


 息が荒く、顔を赤くして汗ばんで上目遣いに睨み付けて来ている。





 アレ? 何かちょっとエロい。





 それから、ミーシャが落ち着くまでしばらく休憩して、魔獣探しを再開した。


 はぐれらしい1匹だけのコボルトが居たので、魔力弾を1つだけにして魔力を線状にして有線で操り、避けるコボルトに対して魔力弾を動かして追い掛けて撃破したり。

 10匹近くのウルフをギルが殴る蹴るの無双状態で秒殺したり。


 更に、多少回復したミーシャが自信満々に数匹のコボルト相手に接近戦で倒そうとして、残り1匹で危ない所をギルに助けられたりと、色々あったが無事依頼の分のウルフとコボルトを倒した。



 ギルドで依頼の報告を済ませ、待ち合わせ場所を話ながら夕食を取って2人と別れた。



 何か、また奢られた上に依頼料の受け取りをギルが断り、ミーシャに押し切られる形で2人で依頼料の山分けをした結果。

本日の儲け、金板1枚と金貨数枚の1万数千Gなり。

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