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第46話『弾幕は力だが、グロい事になったので封印します』


「アンタ達が秘密兵器だって噂の助っ人だったの?」


「秘密兵器とかは知らないけど、この国の秘蔵っぽい魔道具の使い手として呼ばれた助っ人ではあるな」


 まぁ、最初から使える魔法でさえ、あんな凄い威力じゃ秘密兵器と言われても否定出来ないが。


「でも、その魔道具とやらを使ってない状態なら、そんなに対した事出来ないんじゃないの?」


「比較対象が居ないから分からないけど、魔法は初心者でも魔力は割と高い方だぞ、ちょっと確かめてみていいか?」


 そう言えば、ステータスとか殆ど見てないから丁度いい機会なので、2人のステータスを見てみる事にした。


【固有名・ミーシャ・マルクス

 種族名・混血魔法種(火の精霊種混合)

 職種・魔法士

 状態・通常

 魔法士LV・総合十二


 魔力値・二百五十】


【固有名・ギルバート・デュラハム

 種族名・純血鬼人種

 職種・魔闘家

 状態・通常

 魔闘家LV・総合五十


 魔力値・七百】



 ギル凄ぇ、単純なレベルじゃギュンターより上だよ、流石Sランクになっててもおかしくない実力者だ。

 それに比べて、ちょっと低めなミーシャ、まぁ今まで見た事がある奴は強い奴ばっかりだったから仕方ないのか?。


「む? 今なにかしたのであるか?」


「!? ……あぁ、例の魔道具で魔力とかを見れるから、ちょっと2人の魔力を見てみたんだ」


 まさか気付かれるとか、いや今まで見られても気にしてない相手とかだっただけかも知れないけどさ、今度から強そうだったり危なそうな相手には余り使わない様にしとこう。


「それで、どうだったのよ、あたしの魔力は」


「ミーシャは250でギルは700、ちなみに俺は今の時点で800だね」


 ミーシャはその言葉に目を見開き俄然としている。


 こうして並べて見るとミーシャはかなり少ない様に感じる。

 まぁ、比較対象が悪いってだけかも知れないけど。



「今の時点で、とはつまり、更に上がると言う事であるか?」


「ん? あぁ、元々魔力が上がる魔道具らしいけど、俺達は他の奴より上がる幅がデカいから呼ばれたんだよ」


 普通に考えて異世界人ってだけで10倍も上がるんじゃ、異世界人に頼っても仕方ないよな。

 恐らく、この世界じゃ上位の実力者っぽい女王やギュンターでさえ、万単位までは行ってない事から考えると、元が多少劣っていても異世界人なら、この世界で最高の魔力量になるのは確実だ。



「ちょっと待ってよ! 椿やこのおっさんがあたしの倍以上の魔力を持ってるって言うの、嘘でしょ」


「どう見ても武闘派っぽいギルが、こんなに魔力高いのは驚きだけど、曲げようの無い事実だな、レベル何て今まで見た中でギルが一番だぞ」


 魔力を上げられるのかは不明だが、割と魔力が低めなのは間違いないと思う。

 比較対象が悪過ぎて、ミーシャの魔力が多いのか少ないのかは分からないが。


「レベルとはなんなのであるか?」


「説明が難しい上に、この世界にレベルの概念があるか分からないから、簡単に言えば技量とか実力を簡易的に数値化したモノ……かな?」


 普通に考えて、RPG的な世界やそんな概念のある世界でも無いと、レベルとか言われても実際よく分からん。

 何かレベルアップとかした覚えは無いのに、レベルが上がってたから恐らくこの世界にレベルがある訳じゃ無いと思う。

 実際ステータス上がってた訳じゃ無いし、多分魔装具が何らかの基準で数値化して分かり易くしただけだろう。



「なら椿の実力を見せてみなさいよ! そんな風に言われてもあたしは納得しないわよ!」



 ミーシャが若干涙目でこっちを指差して、そう怒鳴ってきた。

 え~、単独でやるなって言われたばかりだから少し困るが、ギルと言う実力者が居る中でなら少し位なら問題無いかな?。


「1人で依頼をするなって言われてるんだが、もしもの場合ギルが助けてくれる状態でならやっても怒られないと思うんだけど、頼んでいい?」


「勿論なのである! 我が友、椿殿には傷1つ付けさせないのである」


 ギルが仁王立ちで腰に手を当て胸を張って大声を上げた。

 少し暑苦しいが、頼もしい限りだ。




 早速、魔獣を探して歩く事数分。

 ウルフが2匹駆け回っているのを発見した。


 先手必勝とばかりに、魔力弾を浮かべ速射用に魔法陣を目の前に展開する。

 展開した魔法陣は、弾速を上げる為に極単純な【加速】の字を丸で囲んだだけの簡素なモノだ、ちょっとカッコ悪い。


 イメージはマシンガン……まぁ、流石にそこまで途切れなく連射は出来ないが、ウルフに向けて魔力弾を連続で発射する。


 放たれた魔力弾が2匹のウルフに向けて、立て続けに着弾し土煙を上げウルフの周囲を覆う。

 割と遠いからいいけど、あんなに土煙が上がるならコレ使えないかも、と感じた、相手が見えなくなるとか速い相手には致命的だし。



 撃ち終わって、しばらくウルフが居た辺りを見ていると、土煙が風に流されてグロい感じにぐちゃぐちゃになったウルフが姿を現した。


 流石にコレは封印した方がいいかな~、とちょっと遠い目になる。


「我輩が万が一に備えようとする前に終わったのである」


 ギルが肩を落としてしょんぼりしていた、出番が無い処か身構える前に仕留められて肩透かしを食らった様な気分なんだろう。


 少し悪い事をした気がする……折角強い奴に守られてる状態なんだから、もう少し練習になる様なやり方でした方が良かったかな?。



「なによアレ……凄い無駄遣いしてるのに幾つもの魔力弾を同時に制御してるなんて、一体どんな訓練したら一度にあんな数の魔力弾が作れるのよ」


「確かにアレは凄いのである、威力の高い魔法は見た事あるのであるが、初歩の魔力操作であそこまで多くの魔力を込めて、更に複数を同時運用してるのは初めて見たのである」


 ギルは感心した様子で頷いているが、ミーシャは驚きの余り呆然として呟いていた。


 ギュンターにも言われてたけど、魔力弾の数を増やして練習するのはかなりマイナーみたいだ。

 割と便利なんだが、なんでやる奴少ないんだろうか?。


「見る限りでは、かなり魔力を無駄に使ってるのである、恐らく同じ位の魔力で倍の広さの範囲魔法が使える筈なのである」


 あぁ、無駄遣いで倍も差が出てるなら誰もやって無くても不思議じゃねぇな。

 制御の練習になって無駄にはならないけど、なんとなく文字魔法とか属性魔法とは方向性が違う気がするし。


 恐らく、普通に文字魔法や属性魔法で練習した方が速いのかも知れない。


「それにしたってあり得ないわよ……多い時は二桁は浮かべてたじゃないの、両手両足で別々の事をしながら読書する位に難しい筈よ」


「いや、普通に浮かべて同じ所に飛ばすだけなら、そんなに難しく無いぞ? 別々に動かすのは、流石に2つか3つ一直線に飛ばすのが精々だな」


 うん、実際にやった経験上、単純に数を増やすだけなら割と簡単だった。

 そこから同じ軌道や動きで回すのは、ちょっと集中するだけでも大丈夫だったが、全く別々の動きをやろうとすると桁違いに難しくなる。


 多分、別々動かすのは、ありがちな並列思考とかでも出来ない限りは、普通は無理なんだと思う。

 つまり、某Mスーツなロックオンして一斉射撃何て不可能だって事だ……元々ロックオン機能とか無いから全部手動でやらないとダメだし。


 ちなみに、文字魔法でロックオンしようとしても無理そうだった、直接掛けないと標的に出来ない上に、2つ以上あると一番近い所に全部飛んで行く結果になったし。



「そうよっ! 椿があたしにその練習方法を教えて、あたしは椿に魔法を教えながら依頼をこなすって言うのはどう?」


 …………どうしてそうなったし。

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