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第43話『偶然ではない再会』

遅れたので、そこそこの長さで投稿。

ちょっと予想よりは短い仕上がりになってしまった。



「おぉ!我が友椿殿ではないか、奇遇なのである、買い物帰りであるか?」


 ギルに道端で話し掛けられた。

 今日は褌一丁では無く、着流しスタイルの様だが、体格に対して小さめなのかチラチラと赤い褌が見える。

 幾ら着流しとは言え、もっとちゃんと着ろよ、後いつの間に友になったんだ。


「これから昼食であるか? それともギルドに何か用なのであるか?」


「昼御飯はまだだから、先に食べに行くけどギルドにも用事があるかな? 仲間と訓練の為に何か依頼を受ける予定だから、丁度いい練習相手になりそうな討伐依頼が無いか下見をしようと思ってさ」


「では我輩も手伝うのである! 経験者として我輩にも助言出来る事がある筈なので、邪魔にならないのである」


 俺の言葉の後に、両手を掴んで上下に振り回しながら言われるが、ちょっと強過ぎだよ、手がもげるわ。



 押し売り感はあるものの、実物の魔獣は見た事無いのでギルの提案を受け入れて、ギルと一緒にまずは昼御飯を食べていると、更に顔見知りと遭遇した。


「アナタあの時の桜の仲間の子ね、こんな所で逢うなんて奇遇ね。

 別に桜に逢いたくてギルドの周りを彷徨いてた訳じゃ無いわよ、本当に偶然なんだから!」



 何か出会い頭に自白したのと変わらない、ツンデレ発言をブツケられた。

 ゴブリンの討伐時に助けた内の1人、三つ編みで眼鏡のツンデレ少女だ。

 討伐から帰る際に一応自己紹介をしたのだが、その時に聞いたのは【ミーシャ】と言う名前の筈だ。


 見た目とのギャップが強く個性的なので頭に強く残ってはいたが、元々人の名前を覚えるのは苦手なのであっている自信は無い。



 君の愛しの桜は今、防具屋でドワーフのおっさんと2人、可愛い服を見て盛り上がってる筈だぞ……とは流石に言わない。


「椿殿のお知り合いであるか?」


 「数日前、初依頼をやってる時に、助けた奴だけど、別に俺は全然喋って無いし、顔見知りの方が正しいかな」


 うん、自己紹介はしたが、大半は桜にべったりで全く話した記憶が無いし。


「ところで、今日は桜は一緒じゃないの?」


「今日は別行動だし、合流する予定も無いよ」


  凄くキョロキョロと周囲を見回しながら聞かれた。

 期待してるのを裏切る様で悪いが、まだ桜が居るであろう防具屋の事を教える気は無い。

 桜とドワーフのおっさん2人のダブルオネェに囲まれて、女性用衣類を見るとか、流石にキツそうだしな。



「じゃあ、アンタはこれから何をする予定なのよ」


「キリエから依頼を2人一組でする様に言われたから、討伐依頼を見て桜と2人で訓練になりそうな魔獣の下見だな」


「なら、あたしも手伝うわ!」


 テーブルに手を付き顔を近付けて、凄く食い付いてきた。



「手伝うって、どう手伝うんだ?」


「勿論討伐について行くのよ」


「キングとかジェネラルも居たとは言え、ゴブリンに捕まってたのに役に立つのか? 足手纏いになるじゃないか?」


 流石にキングは気軽に出歩かない気がするから、最高でもジェネラルに負ける程度だと思う。

 つまりは、Cランクに勝てないDランク位の実力しか無いと考えると、かなり微妙だ。


 現時点ではミーシャを足手纏いと言える程じゃないにしても、教えられた文字魔法や属性魔法に慣れれば、Cランクのジェネラルは余裕で倒せそうだし、Bランクのキングとも戦えなくも無いだろう。


「アレは、その……花摘みの途中で襲って来たから油断して気絶させられただけよ!」



 あぁ、まぁトイレの途中で来たらそうなるわな、あんな森の中でトイレを済ませようとするのは、流石にどうかと思うけど。



「それならば、これから討伐依頼をして実力を試してみればいいのである。

 我輩も同行するので、安全は保証するのである」


 ミーシャとのやり取りを見てるだけだったギルから、唐突に提案された。


 2人一組とは言われてるけど、安全性の理由だし、ミーシャが討伐依頼をやるのを付いて行くならアリかな?。

 S予備軍なAランクのギルも居るなら、そんなに危ない事にはなりそうに無いし。


「って言うか、アンタ誰よ」


「我輩はギルバート・デュラハム、こう見えてAランク討伐者なのである」


 ギルの言葉にミーシャは何故か固まった。


「Aランクのギルバートって……仮面の撲殺魔!?」


「むっ、我輩その二つ名嫌いなのである」


 なんかギルが拗ねた様に顔を背けた、まぁ仮面の性で表情は分かんねぇけど。


「仮面はまだしも、撲殺魔って何なんだ?」


「流石に詳しくは知らないけど、魔獣を殴り殺す姿からそう呼ばれてるとか」



 仮面付けた褌一丁の大男が、様々な魔獣を殴り殺してる姿を想像すると、何かヤバい奴にしか見えないな。



「そんな事より早くギルドに行くのである」


 ギルに2人共、抱え上げられて運ばれる。

 高いな~……つうか、またさり気なく奢られたわ。

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