第39話『魔法』
また遅れた~(汗)
ちょっと焦りながら書いたので、とちってないか心配。
まぁ、元が良くないので心配せずとも、とちってようが大差無い無かったりするかも知れないけど。
11日目
今日は昨日の反省やらをして、各々が感じた欠点を中心にどんな対策を取るか、そんな事を考えた上でそれに必要な部分を軸に訓練する予定らしい。
今回はキリエだけでなく、ギュンターも参加している……割とちょくちょく居るけど仕事しろよ。
楓ちゃんは中~遠距離の攻撃手段、やっぱり剣だけだと小屋を対象にした拠点防衛に難がある、と言う事だ。
桜と紅葉ちゃんは、2人とも同じで攻撃力不足。
ジェネラルゴブリン(やっぱりあの銀色はジェネラルだとか)と戦った際に、有効な攻撃が無かったのはマズいと2人とも感じたそうだ。
それに、ハイゴブリン(赤色の奴)も負ける気はしなかったけど、仕留め切るのに多少時間が掛かったらしい。
そして俺は、例の圧縮魔力弾の練習と、幾ら後衛型とは言え、ジェネラルと一対一で戦えば圧縮魔力弾が完成する前にやられそうなのは問題だから、最低でも回避し続けられる力は必要だから回避の練習だ。
「ところで、昨日キリエがキングを倒す時に使ってたのが魔法なのか?」
「ふむ、儂は見とらんが、キングゴブリンは力が強く大きいんじゃが、動きはそれ程速くは無い。
しかし、余りの頑丈さにランクが引き上げられておるんじゃよ、その頑丈さを突破するには武器に何かしらの魔法を付加させねば、刃が殆ど通らぬし多少身体強化を使わぬと肉の硬さで刃が止まってしまう。
恐らくお主達が見たのは、武器に対する魔法付加に身体強化の魔法じゃろう」
「私が言う事は全て言われてしまいましたが、あの時私が使ったのは斬撃強化の魔法と腕部の部分強化の魔法です」
剣が光ってたのが斬撃強化で、腕の魔方陣は部分強化の魔法だったらしい。
斬撃強化は光ってるの以外は、コレといって見た目じゃどうやってるか分からなかったけど、部分強化は魔方陣が必要何だろう……魔方陣覚える必要があるんだな。
「今日は魔法の講義を先にした方がいいかの? 気になって練習に身が入らぬじゃろうし、魔法はお主達の問題点を解決するのに使えるだろうしのぅ」
午前中はギュンターによる魔法講義を聞く事になった。
この世界の魔法は一部の種族固有の魔法以外は、属性魔法と魔方陣による文字魔法の2つしか無い。
属性魔法は割と感覚的な物らしく、魔力を特定の属性に変化させる事で発生させられるそうだ。
キリエが使ったのは多少特殊だが、自分の属性に変化させた魔力を込める事で武器を強化した物で、キリエは無属性なので属性の無い純粋な物質強化になっていたらしい。
更にある程度意識を集中させる事で、何を重視した効果にするかは本人次第で変わるそうで、壊れにくくしたいなら強度、切れ味を上げたいなら鋭さ等、魔力を込める際の意識の持ちようで変化するのが、魔力付加魔法。
ちなみに、無属性以外の属性だと、その強化具合は若干劣り、属性が付くので最低でも2種類の属性を使えないと使い勝手が悪い。
勿論、効きやすい属性だと単純な強化より高い効果があるので、複数の属性が使える者は無属性より使いやすいので、無属性が1番いい訳では無いらしい。
属性魔法は、大抵自分の属性は余り意識せずとも多少属性寄りの魔力になっているので、自分の属性だけなら結構簡単に使える筈だとか。
手本として見せられたのは、最初の頃に見せられた黒い魔力の玉。
普通に魔力を込めるだけだと、自分の属性の色が付いた玉と言うだけで、そこまで属性効果は強くないが。
次の瞬間、真ん丸だった魔力の玉は形が定まらずユラユラ揺れる真っ黒な塊に変わった。
ちゃんと属性を変化させると、魔力は属性の性質が強くなるので、形が維持し辛くなるらしい。
火なら炎の塊に、風なら渦巻く風に、水なら水の玉に、土なら土の塊に、と見た目からして魔力で形作られただけの別物に変わる。
自分の属性以外は感覚的に変化させるのが難しいので、時間が掛かってすぐに使い物になる魔法じゃないらしく、『参考に説明しただけじゃの』と締め括った。
俺達にオススメなのは、魔方陣を使った文字魔法の方らしい。
文字魔法は、魔力で描けばいいだけで、意味のある文字であれば、どんな文字でもいいらしく、この世界の文字である必要性は無い。
炎と描けば火が出て、水と描けば水が出る結構単純な魔法らしい。
勿論、単純に炎と描いても文字を中心に燃え上がるだけで、用途によって文字を足して起こす現象を定めなければいけない。
例えば、火球を飛ばすなら、【弾】を中心に【火】を【込】めて【飛】ばす、と言う様に四種の文字で魔方陣として形作らなければいけない。
威力を上げたければ、増幅させる様な文字を足すか、単純に文字を作る際に魔力をより多く込めたり、大きく作れば威力が上がる。
魔力が少ない者は工夫して、増幅させる効果のある文字を足す。
制御に自信があるなら、込める魔力を増やす。
より規模の大きな魔法を使うなら、魔方陣そのものを大きく形作る等、様々な使われ方をしている応用性の高い魔法が文字魔法らしい。
ちなみに同じ威力の火球を飛ばす場合、相当工夫しない限りは火属性の人が属性魔法で作った魔力弾の方が、文字魔法よりも消費が少ないので、属性魔法で使える種類の魔法は文字魔法で使う者は居ない。
属性魔法で10の魔力で10の威力の火球を使う場合、文字魔法だとまず10の効果がある火の弾を作って……と言う時点で魔力が10以上必要になるので、そこから飛ばすのにも使うので工夫無しでは魔力を10で抑えるのは難しいんだとか。
属性魔法と文字魔法を組み合わせる人も居て、属性魔法で魔力弾を作り文字魔法で発射したりするらしい。
その日は、属性魔法の練習と文字魔法の練習で殆ど終わった。
使い物に楓ちゃんが、武器に属性魔法を込めて、流し込みながら振るう事で炎の斬撃を放ったり。
紅葉ちゃんが【貫】と言う文字で矢を囲んで射ち出して、的を貫通させたり。
桜が割と普通に、脚を【速】で囲み素早く動き【打撃】と言う文字を盾ごと案山子に叩き込み吹っ飛ばしていた。
俺は、例の圧縮魔力弾を文字魔法で【集】めて【圧】を掛け、【撃】ち出すと言う方法で、生成速度を上げて限界近くまで魔力を込め、発射も文字魔法任せの圧縮魔力弾を完成させた。
……あっ、回避の練習何もしてない。