第31話『近接系スキル』
若干遅れました。
どうにか、日付が変わる前に書き上げ。
書くのをちょっと後回しにし過ぎた。
7日目
休み明けに再び練習。
桜と楓ちゃんは変わらず普通に練習しているが、紅葉ちゃんは何やら籠手と言うか、ガントレットみたいなゴツい物を着けて練習用の案山子を殴っている。
魔装具の武器とは別に、前の休日の時に自分好みの武器を注文してたらしい。
無駄では無いだろうけど、アンタ遠距離武器な弓なのに拳の練習してどうするんや。
魔力を使った活用方法でもしない限りは、微妙に意味が無い物になると思うんだが。
あっ……後ろからキリエに叩かれた。
紅葉ちゃんが正座させられて、キリエの説教が始まったらしい。
紅葉ちゃんと目が合ったけど、うん、巻き込まれたく無いからスルーしよう。
え? 菊次郎爺さん? レベルが違い過ぎてギュンターと一緒に中規模の方で別メニューだよ。
魔力の扱いは簡単に慣れて、今は変身した状態で練習してるよ。
レベル1とかあり得ないよな、と思って再度ステータスを確認したら、魔獣を倒した訳でも無いのに、いつの間にかレベルが20になってたし。
レベルを上げるのに、経験値的なモノはいらんのか。
ちなみに、菊次郎爺さんのステータスを見て気になったので、自分も含めて見直したら、俺達も微妙にレベルが上がってた。
紅葉ちゃんと桜は5に、楓ちゃんは6になっていて、俺は何故か8、レベルの基準が分からん。
菊次郎爺さんが凄過ぎて、4人の中では1番上がってるけど、上がった理由が分からないのも合わせて余り喜べない。
今日は魔力弾を浮かべつつ、魔装具の機能を再確認してみた。
紅葉ちゃんが弓でありながら、近接用の武器を手に入れてたのを見て、流石に自分も近接用の何かがあった方がいいんじゃないかな~? と思ったからだ。
紅葉ちゃんの様に武器を探す前に、魔装具の機能の中に何かしら無いのか、と考えてスキルを再度見直せば、近接用のスキルがあれば、それを基準に武器を探せば多分効率がいい。
その結果、スキルの中にあった近接用っぽそうなのがコレだ。
魔杖術LV1・千M。
魔闘技LV1・千M。
マトモそうなのは、この2つだけだ。
探すのが面倒だったので、途中で検索機能は無いのかな~? と思ってたら、種類別に表示も出来るみたいだったので、使った結果出てきたのは。
動物憑依魔法LV1・二千M。
魔法少女流戦闘法LV初級・五千M。
微妙な印象だけど、憑依魔法はまだしも、魔法少女流って何だよ! 嫌な予感しかしないわ!。
更によりおかしいモノまであって。
撲殺LV1・五千M。
轢殺LV1・五千M。
撲殺もおかしいけど、それ以上に轢殺って何だよ、轢き殺すってかレベル1だけど上がったらどうなるんだよ。
今の所は取れるだけのMは全く無いが、一応目安としては魔杖術を取ろうと思う。
変身した時に持ってた杖を使うであろう事を考えると、出来れば魔闘技がいいけど、恐らく徒手空拳の部類だろうし、紅葉ちゃんと被る可能性を考えると避けたい。
魔杖術は、一応近接用スキルと検索して出てきたので、十中八九棍術系、場合によっては短棍術の部類だと思うので、次の休日辺りに丁度良さそうな物が無いか探そうと思う。
まぁ、武器屋にはそんな棒切れみたいな物は無かった気がするから、鍛冶屋に直接頼む事になるだろう。
その日の練習が終わった時、キリエに菊次郎爺さんを除き全員が集められた。
「椿殿が来てから技術の向上がとてもいいので、ギュンター殿と相談してからになりますが、近々実戦を経験して貰う事になると思います」
「近々ってどの位なのかしら? 流石にアタシ達も実際に戦う際の攻撃方法だったり、チームワークなんかを試す前に戦わされるのはごめんなんだけど」
桜の言葉に激しく頷く。
他の3人と違って動き回ってた訳じゃないから、どの程度動けるか分からないし、魔力弾の練習位しか攻撃手段の練習をしてないから、いきなり戦わされても困る。
「早ければ今日も含めて3日程になると考えて居ますが、流石に私達も最初から難しい魔獣の相手にさせる事はしませんよ、私が見守って貴方達が交代で、1人で相手に出来る程度の弱い魔獣から始めますので、今はまだ連携も余り必要じゃありません」
1人で相手に出来る程度らしいが、魔力弾しか使える物が無い俺もだけど、盾しか使ってない桜が1人で倒せるんだろうか?。
「最初の内は素手でも倒せる程度の害獣レベルの魔獣と戦って、戦闘の感覚を掴んで貰いつつ、魔装具の基本セットが取れる程度に魔力を溜めて貰う事を考えています」
素手で倒せるなら、桜も盾で殴れば倒せるんだろうか? 恐らく基本セットを取れば、桜も攻撃手段が出来るとは思う。
流石に基本セットとは別に、攻撃手段になるスキルを取らないといけないんじゃ、桜の場合はキツ過ぎるし。
「明日からは、椿殿と桜殿には魔力制御は午前までにして、午後からは自分なりの戦い方を考えて頂く事を考えています。
勿論私や他の方に相談して頂いても構いませんし、必要な物があるのなら出来る限り用意させて頂きます」
「用意して貰えるなら、俺は短めの棒みたいな物があれば持って来て欲しいな」
用意して貰えるらしいので、手を上げて丁度考えてた武器を注文した。
後々の事を考えると、金属製の棒がいいけど、流石に使った事も無い物に木製でも充分使えるのに、最初から金属製はちょっと敷居が高いので、金属製とは言わないでおく。
「短い棒ですか? 棍術用の物や杖はありますが、打撃用だと短い物は手頃な物がありませんね」
「長さは後で調節出来るだろうし、棍術用の物でもいいですよ」
流石に初心者に金属製とか、かなり固い素材の物を持ってくるとは思えないから、多分木製だろう。
木製なら後で切って貰えばいいし、しばらくは長い棒でも問題は無い……筈。
「はぁ、では明日持って来ますので、幾つか種類があるので、その時に選んで貰います」
幾つかあるって、使用する木材の種類とかだろうか? 流石に幾つかあるなら金属製だけとか言う事にはならないだろ。
「桜殿は何かありますか?」
「……少し考えさせて貰えるかしら? 明日の昼までには必要な物があれば頼む事にさせて貰うから」
考え込んでいたが、桜は何を使うかまだ決まってないみたいだ、まぁ盾だしな。
一思いに盾だけでもいける気はする、現実的に見れば盾でぶん殴るとか割と攻撃力高そうだし。
「では、私はギュンター殿と相談して来ますので、これで失礼します」
頭を下げて立ち去って行くキリエ。
そして、それを見送った後、桜は考え込んだまま出ていった。
特に今話す事も無いからか、他の2人も『素手で倒せるって言うなら猪退治と比べたら楽かな~』とか言いながら立ち去る紅葉ちゃん。
楓ちゃんは『私は剣なので、むしろトドメを刺せるか心配です』と言って、抱き付いて来たけど、そのまま体を撫で回し始めたので、抜け出してダッシュで逃げた。
後ろから『むぅ、ちょっと位いいじゃないですか』とか聞こえたけど無視して部屋に逃げ帰った。
それにしても、紅葉ちゃん猪退治した事あるんかい。