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第29話『高ランクは個性的な奴等ばかりか』

 おっさんが落ち込んでるのに気付いたホミュは、慌てて駆け寄って声を掛け始めた。


「ど、どうしたんですか!? 私何か失礼な事言ってしまったんでしょうか!」


 失礼かは分からないが、この上なく残酷な事は言ったと思う。

 個性的な上にこんな格好じゃ人が寄り付きそうに無いし、特殊な人種しか寄って来そうにないよね。


「我輩、仲がいいと言える相手が居ないのである、我輩に話し掛けて来るのは我輩に勝負を持ち掛けて来る、やんちゃな討伐者位なのである」


 服装に気を付ければ最高のSランクになれるだけの実力を持っているからか、突っ掛かって来る輩は居るらしい。


「その勝負を持ち掛けて来る人達の中には、仲がいい人は居ないんですか?」


「仲がいいとは言えないのであるが、1人だけ我輩が依頼を受ける度に勝負を持ち掛けて来るのである、向こうに見える彼がそうなのである」


 そう言って指差す先には……。





 全身金ぴかの男が。


 アイツかよ、類は友を呼ぶって事かオイ。


「むっ、我輩が指差しているのに気付かれたのである」


 金ぴかの男がにやにやとしながら近寄ってくる、こっちくんな。


 金ぴかの男はすぐ側まで来ると、仁王立ちで腰に手を当てると、口を開いた。


「僕のライバルのギルバートじゃないか、もしかしてその子達に僕の事をライバルとして紹介していたのかい? そう、僕がその男の宿命のライバルであるBランク討伐者のランベルト・ゴールドさ」


 胸を張って自慢気に語っている。

 見た目金ぴかで、ゴールドってギャグなんだろうか。

 ちなみに、金ぴかは髪まで金髪で割とイケメンである、爆発しろ。


「我輩は毎回勝負の度にBランク依頼にしないと勝負が出来なくて、いい迷惑なのである」


「僕は父上からAランクに上がるのを禁止されているのだから、仕方ないだろう? 君とAランクの依頼で勝負出来ないのは僕も残念で仕方ないさ」


 禁止されているからAランクにならないそうだが、本当なんだろうか?。


 こっそりギルに聞いてみると。

「……実家から禁止されているのは本当らしいのであるが、実力はギリギリBランクなのを高い装備で底上げしているだけなのである、装備も合わせて考えればギリギリAになれそうな程度なのである」


「こそこそと何を話しているんだい? あぁ、僕の事を聞いているんだね、直接聞いてくれても構わないよ、可愛いお嬢さんが聞きたい事ならどんな事でも答えてあげるよ」


 うぜぇ、関わりたくない。

 そして相変わらず、当たり前の様に女の子に間違えられてる。 

 実力も無いのに、プライドだけは実力以上の典型的なタイプにしか見えない。


「何でそんな目立つ格好してるんですか? 私ちょっと目がチカチカします」


「ハハハッ、これはゴールド家に相応しい装備を探した際に見付けた、僕の専用装備さ、人々に眩しく見られるのは英雄にありがちだろう?」


 ホミュが金ぴかの格好を聞くが、ゴールド野郎は自慢気に答えている。


 眩しくみられるのは、物理的な意味じゃねぇよ。


「ランベルトの装備は見付かりやすいから、我輩は変えた方がいいと思うのである」


 確かに魔獣は勿論、人相手でも

いろんな意味で目立つしな。


「僕は国民の守護者となる為に討伐者になったからね、目立つのはむしろ望む所さ」


 ……割とマトモだ。

 只のプライドが高いお偉いさんの息子、と思ってたけど思いの外ちゃんとしているみたいだ。


「その目的には我輩も感心するのであるが、仲間に負担が多過ぎで我輩心配なのである」


「仲間では無く父上から討伐者になる条件として、一緒に行動してるだけだからね、護衛みたいなものなのだから問題無いさ」


 護衛として仲間を付けられてると言う事は、やっぱりいいとこのお坊ちゃんらしい、金ぴかの仲間とか嫌な予感しかしない、呼ぶなよ。


「ランベルトさんの仲間の方って、どんな方なんですか?」


 なんで聞いた!? 聞かなくてもいいだろ!。


「僕がどんな人と行動を共にしているのか気になるのかい? いいだろう、紹介してあげるよ」


 いえ、結構です。

 とは思うものの、流石に口には出さない、何かそれはそれで面倒な事になりそうだし。


 金ぴかが手招きをすると、4人が立ち上がりこちらに近寄って来た。


 うん、予想以上に人数多かったけど、やっぱり嫌な予感が当たってたよ。




「ランベルト様、何かご用ですか?」

 近寄って来て最初に声を掛けて来たのは、黒いの落ち着いた感じの服を着た秘書っぽい印象の眼鏡を掛けた薄茶色の長い髪の女性。

 その後ろには全身鎧の人が立っている。

 全身鎧の人は、全身を金属製の鎧で固めている上、一言も声を出さず軽く頭を下げているだけなので、性別が分からない。



「あらぁ~、ランちゃんったらぁ~ギルちゃんだけじゃなくて~、こんな可愛い子達の所に行ってたのね~、あたしも一緒に付いて行けばよかったわぁ~」


 そして、次に話し掛けて来たのは、ピンク色の髪に角の生えたサキュバスっぽい種族に見える女性。

 紐の人である。

 大事な所がギリギリ隠れてる程度の、紐の様な水着っぽい服? で、角の生えている箇所と形状、そして格好からサキュバスにしか見えない。


「そう思うなら付いて行けば良かっただろう、男漁りを優先して見逃すのが悪い」


 近寄って来て、紐の人に話し掛けていりのは、全身が水色の半透明な女性。

 透け透けな人だ。

 全身が水の様に透き通っている、恐らく水の精霊系の種族なんだろう、しかし服まで透ける服を着る必要は無くね?。


 身体そのものが透けているから、痴女的な感じでは無く、はっきり見えている様に感じないが、ぶっちゃけ全く隠せてない。

 何の為に服着てるんだよ、全部丸見えだよ。



「彼女達が僕と一緒に依頼をする者達だよ」


 結局避けたのに、この宿屋で特徴的な奴が揃いやがった。


「この子達が、僕と一緒に行動する君達の事を知りたいと言うんでね、この子達に自己紹介するといい」


 何やら無駄に大袈裟な身ぶり手振りをしながら、金ぴかが4人に促している、うぜぇ。


 最初に前に出てきたのは、眼鏡の秘書っぽい女性。


「私はゴールド家に仕えるメイドのエマと申します、ギルドではBランク討伐者と守護者上級を修得しています」


 言い終わると、更に全身鎧の人の腕を掴み前に引っ張り出す。


「この子はゴールド家の従者見習いのハル、少々無口ですがBランク討伐者と守護者皆伝を修得し、守る事に掛けては腕利きです」


 鎧の人が頭を下げてくる。

 うん、守護者皆伝と言うのは凄いけど、結局声も聞けず名前もどちらとも取れるから、性別が判断出来そうな要素が全く無い、特徴的なのは少々背が低めな事位だ。



「次は己の番か?」


 透け透けな女性が前に出てくる、近くで見ると本当に服の意味が無い事がよく分かる。

 無茶シースルーやねん、身体自体も薄い水色で向こう側が若干透けて見える感じやけど、服はそもそも一応何か着ているらしいってギリギリ判別出来る程度に透け透けやねん。

 とりあえず、エロさは余り無いけど似非方言になる位に透けてる。


「己はウィン、討伐者Aに守護者上級、そして探索者皆伝の雇われ者だ」


 探索者だが、この人も皆伝らしい。

 先の2人とは違い、金ぴかの護衛として雇われたと言う事だろう。


「あたしは~討伐者Sランクのネオンよ~、ウィンとは良く一緒に依頼受けてるのよ~仲良くしてね~、君とは特に仲良くなりたいな~?」


 目の前まで近寄って来て、手を握られた。


 握った手が胸元まで引き寄せられて、手に胸が当たってるのはわざとか、わざとなのか。

 只でさえ紐の様に細い水着みたいな格好で、肌色の面積が大半なのに、更に握った手を胸元に押し付けて胸が変形している。


 突起の部分に引っ掛かっている為、ズレはしていないが、紐が若干引っ張られて距離が近い性で微かにピンク色が見える。

 更に引き寄せた手を微妙に動かして握られた手には、むにゅっとした感触が絶えず感じられる。


 ニコニコと笑顔のままだが、どう考えても確信犯だ、この女超エロよ。


 ちなみに下は見る勇気が無い、スリングショットの様な感じだが、上半身の紐の細さからすると本当に最低限しか覆われてない。

 少なくとも視界の端に映る範囲では黒いモノは見えない、剃ってるか生えてないだけかも知れないけど。


「ネオンは凄腕の魔法師であると同時に、男狩りとも呼ばれているのである、椿殿は気を付けるのである」


 ギルの言葉を聞くと同時にビクッとして手を引っ込める、コイツさり気なく気付かれない様に、俺の手が突起に当たる位置に動かしてやがった。

 ちょっと誘惑してるだけかと思いきや、予想以上にしっかり俺をロックオンしてやがる!?。


「ん? その子は女の子だろう? 何故気を付ける必要があるんだい?」


 他のメンバーは、納得した表情や呆れた表情を浮かべているが、金ぴか男だけは疑問の表情を浮かべている。

 コイツ、俺の事女の子だと全く考えてないな。


「あらぁ? とっても可愛いけど~、この子は男の子よ~」


 ネオンの言葉を聞いて金ぴか男が固まった。

 ギルが言った内容で、分かってなかったのお前だけだよ。


「な、なんだって~!!」


 金ぴか男が頭を抱えて叫んだ、凄く煩い。

 余りに煩くて周りから注目されてんじゃねぇか、ついでにリアクションが一々デカ過ぎだ。


 金ぴか男は顔を俯かせて、しばらく震えていたが、唐突に顔を上げた。


「僕の理想の相手じゃないか! 僕の妻になってくれ!」


 俺の目の前に駆け寄り手を握って、そんな戯言を吐いてきた。


「ごめんなさい」


 言うまでもなく、速攻で断った。

何となく言い訳。

BLとGLのタグ付けてるのにBLな奴が多いけど、実は既にGLな組み合わせの人達は出ました、まぁコレから出す予定の方がガチで、既に出ている方はGLな事もしてるよーって感じですけど。


数少ない読者の中に分かる人はいるんだろうか?。

別に既に出ている方は、それと分かる要素はしばらく出ない予定なので、何となくそれっぽいって程度にしか分からないと思いますが。


まぁ、実は本当にBLな人は今の所は実質1人だけだったりしますが。

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