第1話『異世界に召喚された』
俺の名前は佐倉 椿
27歳で未だにニートで特に夢もやりたい事も無い典型的なダメ男だ。
黒い髪は伸ばしっぱなしで肩まで伸び前髪も下ろすと顎まで届く程で邪魔だから後ろで1つに纏めて髪ゴムで括ってる。
毎日パソコンを見てる為か視力も落ち眼鏡を付けて、身長は170に後数センチ届かないし、容姿も顔は整っている方だと思うけどイケメンには届かない微妙さ。
きっと色々やってもイケメン風が精々だと思う。
そんな俺は夜に家でいつもの様にパソコンを使って小説サイトを巡回していた。
「二次創作もいいけど、オリジナルも面白いよな~設定の練り込み具合がピンからキリまで様々だし」
それはいつもの事で特に代わり映えの無い日常────の筈だった。
「ん? メール? 携帯ならまだしもパソコンの方にメールとか珍しいな、差出人は……ミリスティア? 全く見に覚えがねぇな迷惑メールか? 試しに本文も見てみるか」
その謎のメールから全ては始まった。
第1話『異世界に召喚された』
【私の住む魔法世界マジカルワールドは今滅亡の危機に瀕しています。この文章は私の世界の魔法に高い素質のある方にその世界に適した形で無差別に送られています。マジカルワールドを救う意思を持ち、アナタの世界に戻れなくても構わない方が居るのなら、救う気持ちを強く心に込めて言葉にして下さい。その気持ちを繋がりにこちらの世界へのラインを作り言葉を引き金としてマジカルワールドへの転移を開始します。どうかマジカルワールドの救い手となる心優しき勇士が居る事を願います】
開いたメールにはリンクも無くそんな内容が書かれていた。
「なんだこれ? ……悪戯メールか?」
困惑しながらも内容を何度も見直した。
「思って言葉にするだけって……少なくとも業者がする迷惑メールじゃねぇよな? 嘘くせぇけど」
そう口にしながら考えていた、代わり映えの無い毎日に面白味の無い日常そして夢も希望も無くただ生きているだけの自分が世界を救う、そんな意味のある生き方が出来るなら無駄に生きてた命に価値があると思えるんじゃないかと。
「嘘くせぇけど……本当なら望む所だね、救って欲しいなら救ってやろうじゃねぇか! 異世界トリップとか出来るもんならやってみろ!」
椅子の背もたれに寄り掛かり天井を見上げて吐き捨てる様に声を上げた。
「……アホくさ……ある訳ねぇし」
白けた様に呟きパソコンに向き直したその時。
周囲が青い光に照らされた。
「なっ……なんだこれ!? 何か椅子の下に光る模様が……魔方陣的な奴か!?」
驚き下を覗き込むと椅子と床の間に浮くように青く光る模様が浮かび上がり少しずつ光が強くなっているのが目に入った。
「……まさかマジなのかよ……おもしれぇ! 俺なんかで救えるなら命を掛けてでも救ってやるよ!」
呆気に取られた様な表情から徐々に笑みを浮かべ雄叫びを上げる。
しかし途中で表情が一転し焦った表情に変わった。
「やべっ! 戻れないかも知れないならパソコンのHDDを消去し……」
こうして俺はこの世界から消えた。
続く
1番最初なので主人公の台詞しかない上に部屋の中なので対して描写も無い
地の文とか文章構成が上手い人が羨ましい