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第120話『女王の息抜き』

もう全然筆が進みません。

更新が不定期気味になりそうです。


 女王らしき女性は、ヤル気満々に準備体操を始めている。


 準備体操をする女王? を見て菊次郎爺さんも柔軟体操を始め、更にそんな2人を見て楓ちゃんや紅葉ちゃんも準備体操をし始めた。


 そんな者達を見て、ギュンターやキリエが、そして何故かギュンターの横に並びレンも体を解し始め、釣られる様に他の者達も体を動かし始め、集まった者達は全員で準備体操をする事になった。






 で、流石にスルーしたままにするのはどうかと思ったので、本人を除いて一番知ってる可能性が高いギュンターに一応コッソリと聞いてみた。


「ただの息抜きじゃよ、有事に備え魔力を溜めてはおるが、今の状況故に各国との交流そのものは減り、女王としての実務の大半は無くなった為に、魔力を溜める以外にする事が無いんじゃ」


 女王様は暇を持て余してるらしい。

 確かに、聞いた範囲ではこの国以外に最低でも2つの国があるらしいが、片方は引き篭もり状態らしいし、もう片方も兵を派遣してるらしいが、国のトップが簡単に動ける訳も無く、そもそもこんな状況下で最大戦力兼国の最高権力者の手を煩わせる類いの案件を持ち込める訳無いんだろう。


 国内の問題が無い訳じゃ無さそうだけど、流石に攻め込まれてる状況下で最大戦力でもある女王が力を蓄える時間を割いてまで、動くのも馬鹿らしい。

 それに時間を割いて侵略者への切り札に使う魔力の量を減らして、それで撃退に失敗したら国が滅ぶだろう。



「まぁ、魔力を溜める一番の方法は瞑想じゃからな、毎日1日の大半が瞑想続きでは気が滅入るじゃろ?」


 それはキツい、求道者みたいな奴でも無い限りは毎日休み無く瞑想続きの日々では、普通に嫌になっても可笑しくない。

 ぶっちゃけ俺なら、数日で集中力が無くなってボケーっとしてるだけになる気がする。


「状況が状況じゃから女王様で無ければ出来ぬ物を除き、大半の仕事を周囲が受持ち、女王様は魔力を蓄える事に専念して貰っておる訳じゃが、精神が乱れては瞑想の効果が薄れてしまう為、定期的に気分転換の時間を自由に鋏んで構わぬ様になっておるんじゃよ」




 まぁ、国一番の実力者であるだけで無く国のトップでもある訳だから、国の危機に対して備える義務があると同時に、露骨にサボってるんでも無ければある程度自由に出来る権利もあるんだろう。


 現に俺等も週休1日ではあるが、割と訓練は自由にやって良さげだし、国の危機の割には立ち位置の性か結構楽な生活をさせて貰っている。

 まぁ、魔装具で基礎能力が底上げされてる上に、魔法に対して強い興味があるからこそ、魔法の練習は勿論の事、戦闘訓練もそんなに苦にならないからかも知れないけど。









 プールならぬ、プール擬き? のプール開き……では無いが、実際に集まった人達が入る時が訪れた。


 いの一番に飛び込んだのは紅葉ちゃんである。

 水の中だと言うのにまさかのバタフライで泳ぎ始めた。


 各々がどんどん水の中に入って行く中、菊次郎爺さんは謎の行動をとり始めた。


 何故か、四角い水の側面から頭と一部肩を出した状態で横に古式泳法で泳ぎ始めたのだ。

 泳ぎ方が古い、そして規格外な菊次郎爺さんの割に思ったより遅い……いや側面を横に一周するのはある意味凄いけど。



 楓ちゃんは割と普通にクロールだ……まぁ水中でクロールは普通じゃないかも知れないけど。


 キリエはまさかの犬掻き、犬の耳や尻尾があるんだから犬系の獣人だろうし、ある意味間違ってないけど……水中でやる泳ぎ方では無いよね。


 ギュンターは普通だ、どんな泳ぎ方かと言われても何か普通としか言いようがない、水中で泳ぐ際によくやりそうな、バタ足で平泳ぎの様に手は横に動かす泳ぎ方だ……この泳ぎ方に名前あったっけ?。





 そして、女王は…………多分何かしらの魔法で泳いでる。

 恐らく、手足から推進力となるモノを出しながら進んでいるらしい。

 手首や足首辺りに魔方陣らしき物が見えるので、それを巧みに手足を動かして微調整しながら移動してる様だ。


 ぶっちゃけ、何か1人だけロボットが使うスラスターを使った推進力で飛んでるみたいな感じになってる。



 と言うか、まさかの遊びに4つ同時に魔方陣を使用すると言う念の入り用。

 むしろ、水中で呼吸する為の魔法も使っていれば、更に1つ増え5つ同時使用と言う、無駄に巧みな技術を使って本気で遊んでる事になる。


 どんだけだよ。



 ちなみに、鳥っぽい奴と虫っぽい奴は入って速攻で浮上して、上の方に顔を出して泳ぐと言う、普通のプールみたいな楽しみ方をしていた。






 割と見てるだけでもそれなりに面白いので、中に入らず水中を見ていると。


 ドワーフらしき奴が溺れ掛けてるのを見付けた。



 俺や、割と目敏く見付けたらしい菊次郎爺さんが助けに向かおうとした瞬間、ドワーフらしき奴の側に魔方陣が現れ水の外まで弾き出され、着地点にも魔方陣が展開されていて、ゆっくりと床に下ろされた。


 誰がやったのか気になったので、1人ずつ順番に視線を向けると、女王が止まる事無くドワーフらしき奴の方に手を向けていた。



 他の、特に可能性が高そうなギュンターやレンにはそれらしき動きが無いので、女王がやったと言うのが確定だと思われる。





 と言うか、遠隔で止まる事無く水の中から排出と着地と言う2つを連続で、しかも魔法を使って泳ぎ続け止まる事無くとか、凄い技術な気がする。


 離れた場所にあんなに素早く魔方陣を2つ立て続けに作るとか、文字通り離れ技やな。


 実際同じ事をするには素早く魔力を動かす速度に、狙った場所に正確に魔方陣を作る精密性が必要だ。



 多分俺が同じ事をしようとしても、今の時点ではそれだけに集中した状態で1つに付き数~十数秒程掛かるだろう。

 つまり、連続で2つと考えれば多めに見積もると合わせて30秒位は掛かる事になる。



 泳ぐのに使ってる魔法を維持したまま、最初の要救助者を水の中から出す魔法を使い、それから救助対象が水の外へ出るのに数秒、その数秒の間に救助対象の落下地点を判断して魔方陣を落下地点に設置。

 そして、そんな作業を泳ぐのに使ってる魔法を維持し、尚且つそんな魔法を使ってるので常に動き続けながらやってた訳だ。



 割と半端無いのは分かる事だろう。

 何せ、動き続けると言う事は精密性を阻害するし、更には限られた空間なので他の人にぶつからず水の外へ出ない様にある程度意識を向けてないといけない為、片手間で出来る程度の技術が無いと出来る事じゃない。



 まぁ、つまりは……あんな事が出来る女王様の実力半端無いって事だ。

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