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第116話『試作型プール擬き』

丸一日遅れてしまいました。


と言うか、完成して思ったんですが、ここ最近のはキャラの大半が喋ってねぇ。


 水を入れている間が余りに暇なので、まだ使うと決まった訳でも無いのに、先走って水中の環境がより自然に近い水流の作り方を考えたり、より過酷な状況として水流の強い文字魔法の配置を考えたりして時間を潰した。




 水が溜まったら実際に体験する訳だが、先に魔石の残量確認を行った。


 電池の残量確認の用に、魔石に残る魔力量を確認出来る道具を使用して水を溜める間に消費した量の確認し、更にその際の残量を開始点として時間毎に消費する魔力量を計測する為である。


 勿論、四隅に1つずつの計4つ魔石を使用しているので、消費量の偏りが出ないか等も計測対象だ。


 偏りが出ていた場合、目標の規模を作った際により大きな誤差が発生する可能性がある為、かなり重要らしい。



 まぁ、俺には細かい事なんか分からないので、多少減ってるな~位な感じだったと言うだけである。






 最初の1時間程は中に入らず現状を維持したまま、水が入ってる状態での時間経過による消費量の計測を行うらしい。


 つまり、更に1時間程暇になった訳である。




 予定としては、最初の1時間は経過観察、次に1時間通常利用……つまりは実際に中に入って体験するだけだ。

 その後、次の1時間は簡易的な水中戦を実際に行い、内部の変化が大きい状況での魔力消費量の計測。


 そして、また1時間程中に入らない状態での消費量の計測を行い、使用した事によって維持に掛かる消費量に変化が出ていないか、と言う事の確認だ。



 その後は、入る人数を増やし、使用人数による消費量の違いを見る事に1時間。


 残りは1時間毎に計測を行いながら、維持限界まで計測を続けるだけだ。

 まぁ、この時点で5時間程経過しているので、恐らくこの辺りで俺は終わりだろう。

 既に昼過ぎ、5時間も経てば日も暮れ夜になる。

 別に研究者でも無いのに、翌日に支障が出そうな時間まで付き合っていたら、ギュンターに説教される羽目になるだろう。




 土属性の魔導師が最初は数人居たが、今は簡易的な水中戦を行う人員を集める役割と、多人数で体験する際の手の空いてる人を何人か集めて来る役割として場内に戻って行った為、現在は俺とレン以外は壮年の男が1人残っているだけだ。


 そして、割と難し目な話をレンと2人でしているので話に入れず、かと言って目の前のプール擬きに入る事も出来ず。

 勿論、魔法の練習なんかも禁止されているので、ガチで暇だ。








 余りに暇なのでプール擬きを一周しながら観察してみた。


 じっくり観察すると分かるんだが、支柱となる4つの魔力線の間にも魔力的な壁面が存在している。

 多分、魔力消費的に支柱が4本のまま規模を広げると、かなり消費量が増えそうな印象を受ける。


 実際、供給源は4つの支柱となる部分の下部にしか無い訳だから、消費を減らすのであれば恐らく四隅の上部にも必要だろうし、更にその間に1つずつ支柱部分を増やして魔石を配置し、出来れば上部の中心地点に1つとバランスを考えて中心地点の下部にも1つ魔石を配置。

 合計で14箇所に魔石を設置するのが、消費を抑えつつエネルギー効率がいい形になりそうな気がする。



 本当の所、バランスを考えると規模が増える度に側面は勿論だが、上下にもっと魔石を均等に設置する方がいいと考えるが。


 多分最も負荷が掛かるのは、大半が側面なので微妙な所だ。

 高さが伸びれば側面の中心地点にも設置した方が良くなるだろうが、目標の高さが10メートルまでなので、上部に設置するのであれば必要性は微妙な所だろう。







 まぁ、想像した範囲の事なので実際はどうなのか不明であり、意見として上げる位の意味しか無い。

 暇なんだから意味があるんだか無いんだか、って事を考えてても仕方ないよな。


 もしかしたら意味があるかも知れないって程度でしかない、只の暇潰しだ。









 やっと1時間経過してレンともう1人が別々に残量の確認を始めたので、チラッと覗いてみた。


 最初が数%減ったかな? って位だとしたら、今は5%程減ってる気がする感じだ。

 なんで表現が曖昧なのかは……目盛が細かいからよく見えないんだよ……。


 半円状のメーターに10の大きな目盛があって、定規の様に10の目盛の間の真ん中に少し大きめの目盛があり、残りの隙間に細かな目盛が……と言った感じで分度器の様になってる訳なんだが。


 もっと近くで見ないと正確な所までは見えないが、流石に興味心だけでそこまで近付いて見せて貰うのは、頼み辛い。



 正確な数値を出す為か、相当顔を近付けて見てるから、流石にチラッと覗く程度ならまだしも、細かな目盛の何処を指してるか判別出来る程に顔を近付けるには、離れて貰う必要があるから余計頼めない。





 俺自身はチラッと見る位しか確認してないが、残量確認が終わったので次は実際に入ってみる……訳だが。



 流石に多少危険がある為、腰にロープを巻いて溺れそうな時に救助出来る様にしてからだ。


 勿論、万が一の時に引っ張る人が必要なので、壮年の魔導師の人が残るらしい。

 まぁ、実際面白そうだとは思ったけど、そんなに泳ぎが得意な訳でも無いから若干不安は感じている。



 しかし、暇だった時間に対策は考えていた。

 多少魔力を使う事になるが、まぁ危険性を減らす為なので大丈夫……な筈。



 方法は簡単だ。

 魔力を膜状にして頭部を覆う……以上。


 多分、潜水服の頭に被る奴みたいな効果がある……筈である。

 とりあえず、水を覆う魔力の膜との干渉があったりするかも知れないし、先に頭だけを水の中へゆっくりと入れてみた。




 魔力の膜同士接触で何らかの問題がある可能性も考えていたが、割と問題なく水の中に入れた。

 頭部を覆った魔力の膜の中に水も入らず、ちゃんと空気が残った状態で問題なく使えそうだ。




 問題無い様なので、早速水の中に全身が入った瞬間……。














 結構速めの勢いで浮上して行った。


 重量に対して浮力が高過ぎたらしい。

 上まで到達すると、頭が半分水面に出た状態でプカプカと浮かび、潜ろうにも頭部の浮力ですぐに浮かび上がり潜れない。


 あ~……こりゃ失敗だな。

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