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第114話『銭湯の魔道具』



 さて、風呂の魔道具を見せてくれるらしいが、ぶっちゃけこの電気風呂は床の上に四角くお湯があると言う、物理的にありえないので絶対に魔法関係じゃないと再現不可能だと分かるが、見る限りお湯と床しか見当たらない。



 何処にあるんだろう? と思っていたら……四角いお湯と共に床が持ち上がった。


 驚いてレンの方を見てみると、床に手を当てて恐らく魔力でも流したのであろう線が電気風呂の方に伸びていた。



「ん……形状の維持は上……温度管理と効果は主に上下均等に配置……こっちに回路を繋げると魔力供給……」



 レンが持ち上がった床板の側に寄り、上や下を指差しているので覗き込んでみた。



 浮かぶ床板を見上げると、四角く二重の線が刻まれ二重線の内側には【固定】と刻まれている。

 床板の中央には【保】と大きく文字が浮かび、下を見ると【温】とあるので、床板と床下の文字を合わせて【保温】と繋げているらしい。



 電気風呂の効果そのものは、上に小さな【通】と文字が無数に刻まれ、下には同じ配置で【電】と言う文字があった。

 2つ合わせて【通電】とし、更に文字を小さく無数に配置する事で低電圧を均等に流している様だ。



 更に回路とか供給と言われた部分を見ると、床板の切れ目に三本の線が繋がっているのが見えた。



「……こっちに……魔石がある……定期的に交換が必要……」


 レンは床の中に繋がる線の先辺りの床に手を掛けると、蓋を開く様に持ち上げ小さなスペースが現れた。

 中には赤色や黄色や透明な宝石の様な物が納められている。


「……形状に無属性寄りの魔石……温度管理は火属性……効果はこれの為に雷属性の魔石…………属性はより近いもじゃないと……持続時間が減る……」


 あ~……文字魔法を物に刻んで電子回路みたいに使った物が、魔道具と呼ばれるらしい。


 より無駄の無い形であれば魔力のロスが少ないらしいし、円状じゃないだけで、根本的に文字魔法と魔方陣そのままだ。




 むしろ、魔石とやらが初見なので聞いてみた。




 魔石と言う言葉の割に余り魔力保有量は少ないらしい。

 それも、作る際に必要な魔力量の半分以下なので、利用価値はそこまで高く無い様だ。


 魔石は見た目通り、魔力保持能力が高いらしい宝石を原料に、宝石を魔力を遮断する容器に入れ属性魔法で単一化した魔力を封入し一晩その属性の魔力に漬け込んで出来るらしい。



 ぶっちゃけ、指輪に付ける程度の大きさの宝石で一晩漬け込み、大体1~20程度の魔力を宿す位で、拳大の大きさだと軽く一月は掛かる上、100位の魔力保有量にしかならない。


 勿論、漬け込む為に必要な魔力量は倍以上、尚且つ余り濃度が濃い魔力の中に入れると割れてしまうので、一晩以上掛ける場合は定期的に漬け込む為の魔力を追加で注がないとダメなんだとか。





 つまり、一晩で作れる程度では強めの魔力弾位の量しか無く、魔力量の多い魔石は手間隙が掛かる為に数は作れない。



 しかも、魔石から一気に魔力を使う事は出来ないらしいので、魔力保有量の多い魔石の利用価値は高く無い。



 兵器だとか切り札的な使い方をするには、手間の掛かる魔石を大量に用意した上で多量の魔石を同時に使用する位だろう。

 しかも、十数個程度じゃ低い出力にしかなりそうに無いので、最低でも三桁は必要になると思われる。



 一晩で出来る魔石一個で、短い時間で一度に0.1引き出せると考えると、100個あって10の魔力を使える訳だが。

 銃の形状の魔道具であれば、魔力量10の魔力弾が1~200発程撃てる計算になる。


 しかし、その為に必要な魔力量は魔石作成に最低でも2000以上、個人で作る事は無いだろうが、ミーシャであれば毎日魔力を使い切って魔石を作っても最低10日は掛かる。



 メリットに見合わない手間やデメリットが掛かる微妙な物な訳である。




 多分発動までに時間の掛かるチャージ式にしたら、結構使い道はあるかもしれないが、魔石の魔力を引き出せる量と速度、そして耐久性次第である。








 まぁ、魔石の話は置いといて、電気風呂だ。


 電気を流すと言う特性上、普通の浴槽では危険性がある為、危険性が少しでも下がる様に浴槽の無い形にしたらしい。


 固定の範囲や形状はまず、床板に四角く囲う刻印魔方陣、更に床板から繋げる形で空中に魔力の線を伸ばし形を維持している。


 保温は温度を維持するだけで、根本的に最初からお湯を入れているだけらしい。

 細かく温度を決めると文字数は増えるわ、必要な魔力量が増えるわで、効率が悪い様だ。


 ちなみに通電は基本的に使わない時は切っているらしい。

 常時起動していると、使用してない間に帯電量が増え過ぎて危ないからだ。


 まぁ、電気を流す機能はあっても電気の量を調整する機能は無いから当然だろう。








 で、どうしろと?。


「……魔道具の説明の為……ただ見せただけ……でも……何か意見があるなら……聞きたい……」


 無茶振り過ぎるわ。


 細かい事までは分からないし、温度調整や電気量調整は使用魔力を少なくする意味では、現在の形の方がいいだろう。



 ハッキリ言って電気風呂自体に対しては全く意見も改善点も無い。





 あえて言うなら。


「電気風呂と関係無いけど、この浴槽の無い状態のはもっと大きく作れないのか?。

 何か電気とか無い状態でもっと広ければ面白そうなんだが」



「………………無理ではない……でも難しい……必要な魔石の個数に……持続時間…………根本的に必要な水量……実利が少ないのに……維持に掛かる物が多い……」


 あ~……あの大きさで魔石一個なら、プール位の広さじゃ幾つ必要になるか分からんよな。

 しかも、中の水は別で用意する訳だから、溜まるのに時間が掛かるけど、維持するのには多くの魔石が必要だから、常時状態を維持するか、毎回水を入れる時間を掛けて使う度に起動するって2択しか無い。


 ハッキリ言って娯楽に使うには維持コストが高過ぎて、かなりの無駄遣いだ。



「……あ~、無理っぽいな……遊ぶ以外の使い道なんて水中戦の訓練位が出来そうな程度だし」



 ガシッ!!。



 いきなり手を捕まれた。


「……それならやれる可能性があるっ!!」


 いや、別に普通に地面掘って作っても……いや、側面から見える分内部の状況が分かっていいのか?。


 側面から飛び出しても水から放り出されるだけだし。


 あれ? 維持コスト次第じゃいけるか?。

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