第112話『魔力だとか魔法学校の話』
その後、第8属性に関する事は研究が進めば再度教えてくれる事を約束され、他の7つの属性に関する雑学とも言える研究内容を教えて貰った。
第8属性と同様に、魔力を容器に入れた状態で分かる、意味がある様な無い様な微妙に判断に困る研究内容で。
7つの属性の内、水と土は重量に僅かな変動があり、魔力の状態でも半物質化がされている可能性があったり。
風も重量に変動はあるものの、恐らく内部で僅かな気流の変化による変動が起こっているだけで、物質的な重量は発生してない事。
同じく、火や僅かながら光にも重量のマイナス値への変動が発生しているものの、恐らく気温の変化による影響と推測されている。
温度変化は、火や光が温度上昇が見られ、水や風に温度低下を観測。
闇にも僅かながら気温低下が発生していた。
まぁ、ぶっちゃけ俺達みたいな状況が落ち着くまで、戦う力を付けるのが最優先みたいな状態では殆ど意味の無い情報である。
実際、この研究結果から生み出されるのは、大半がより安全な生活を便利にする魔道具等の開発なのだ。
ちなみに、無属性は研究資料が少なく余り研究が進んでいない。
ぶっちゃけ目に見えた変化が殆ど無い為に、何にどう使えるか分かっていないのだ。
唯一分かっているのは、無色で目に見えないが、一定の濃度になると感覚的に『そこに何かある』と威圧感だとか圧迫感の様な、五感以外の部分で感じられる為、目に見えないと言う割には危険性は多少低くなっているらしい。
実際、容器に納められた無属性は視覚的には空の容器だが、漫画であれば何かしらの効果音が出ていそうな程度に、何とも言えない違和感を感じた。
そんな雑学的な事でその日の訓練は早めに終わり、まだ夜まで時間がある状況で解散となったので、全員暇が出来た。
そんな時に、ミーシャから学校の案内を提案された。
「どうせ暇なら、あたしが通う学校を案内してあげるわよ、どうせ近い内に一度は通う事になるんだから無駄にはならないわよ」
えっ? 通う可能性あんの?。
桜・楓・紅葉の3人は知らないけど、俺は二十代後半だし、菊次郎爺さん何て還暦越えてるんだが。
普通の学生が通う学校の他にも、違う国とかから来た人が通う学校もあるらしい。
結構、集落等から出て来た人なんかは特に一般常識となる知識が無かったりする為、かなり幅広い年代が通ってたりするんだとか。
短ければ一月程度で卒業出来るらしいが、公用語の書き取りに簡単な計算、そして必要なのはは微妙だが常識的歴史なんかのテストをクリア出来れば卒業となる。
つまり、元々ある程度の知識が無いと最短で卒業するのは難しい。
全く知らない言語を一から学ぶんだから、覚えが良く無ければ一月で卒業は出来ないのが普通だ。
ミーシャ先導の元、学校の案内が始まった訳だが。
通常の学校は授業を行っている時間帯の為、普通の教室はさらっと校舎単位で説明され、図書館等を案内された位である。
ちなみに図書館は想像の倍以上は広かった。
基礎学科と称された、違う国の人等が通う校舎も案内されたが、割と入ってくる人の時期がバラバラな為か、四半期毎のクラスがあり、更に1年を経過すると授業が無くなり、選択式に変わる。
1年を過ぎた場合、一通りの必要な授業は済ませた筈なので、それで卒業出来ない場合は自分に不足した学科の授業を選択して受け、残りは自己学習になる訳である。
ちなみに2年経過すると個別授業が強制的に入り、3年目になると完全に自由学習に変わる。
つまり、3年目になると『もうコイツに教えても無駄じゃね?』と殆ど放置される訳である。
卒業の為のテストは四半期に一度行われ、更にそれとは別に四半期に一度だけ申請すると好きなタイミングでテストを受ける事が出来る。
つまり、やろうと思えば入学早々にテストを受ける事も出来るが、落ちると3ヶ月は次のテストを受ける事が出来ない。
勿論、四半期毎の定期テストの様な物は別なので、やろうと思えば2連続まではテストを受ける事が出来る。
他に案内されたのは、校内ダンジョンだ。
例の迷宮を知っていると、パクりっぽいが、校内ダンジョンは五層構造で魔力で構成された仮想魔獣が出現するらしい。
一層目はちょっとした害獣レベル、二層目はギリギリ魔獣レベル、三層目からは普通の魔獣レベルが出て、四層目からはちょっと強めの魔獣レベルになり、五層目は大型の魔獣レベル一体と戦えるようになっているらしい。
ちなみに、やろうと思えば各層毎に難易度を上げる事も出来るらしいが、そちらは費用が掛かるんだとか。
校内ダンジョンには、トラップ版もある様で、そちらは一層しか無く難易度指定型になっている。
更に裏設定として、仮想魔獣とトラップ両方が出るようにも出来るらしい。
基本、ダンジョンの管理をする人が必要なので、挑戦する場合は事前に申請をする必要がある。
ちなみに、通常の学生は授業で使う事があるらしく、ミーシャも三層目までは挑戦した事があるとか。
普通は複数人で挑戦するんだが、ミーシャは組む相手が居らず単独で三層目までらしい。
パーティーでやる場合、平均到達階層は四層目で優秀だと五層目に挑戦する感じらしいので、凄いのか凄くないのかは微妙である。
とりあえず、ミーシャのボッチ具合が更に分かって若干心に響くモノを感じた。