第10話『魔法?』
評価が付いてたり、ブックマーク登録されてるのを見て少し舞い上がりました。
舞い上がった勢いで更新、ちょっとやる気が溢れ過ぎました。
三人を指差しギュンターに向かって叫ぶと、首を傾げていた。
「何かおかしいかのぅ?」
「魔法使う感じじゃねぇし! 桜なんて、そもそも攻撃する武器無いじゃねぇか!」
「3人とも魔法じゃぞ? それに魔装具は防御障壁が備わっておるが、攻撃を防ぐ手段は重要じゃしの」
明らかに盾しか持ってない桜も魔法があるらしい、しかし防御障壁とかがあるなら盾だけとか意味があるのか疑わしく感じる。
「ほれ? 早速使うみたいじゃぞ」
そう言われて三人の方に顔を向けると、楓ちゃんが大剣を振り上げている所だった。
「えーと……お前等みたいなゴミは焼却処分してあげる──ファイアブレード!」
振り上げた大剣が炎に包まれ一回り大きな炎の大剣に変わる。
「灰になれ──この豚野郎!」
振り下ろすと直線上に炎の斬撃が飛んで行き、一直線に焼け焦げた跡が残った。
「魔法がどうこうより、あの台詞はなんなんだ」
「あれが楓君の詠唱じゃよ、言わずとも使える様じゃが、威力が落ちるんじゃよ」
俺の魔法より強制力は低いみたいだが、言わないと威力が落ちるらしい、物騒な台詞ではあるものの、慣れて無いのか棒読みだ。
見た目に反してあの台詞をノリノリで言われたら、ドン引きしそうだから安心した。
「いっくよー」
ギュンターと話している間に、次は紅葉ちゃんが弓を構えた。
「君のハートを射止めてあげる──マッハアロー!」
弓を引くと矢の周りに風が渦巻き、矢から手を離すと、矢が消えた。
は? どうなった訳?
「相変わらず、恐ろしい速さじゃなのぉ、全く矢が見えんわい」
ギュンターの言葉からすると、目に見えない速度で矢が飛んで行ったらしい。
魔法を使う時の台詞を合わせて考えると、かなり恐ろしい気がする。
「最後はアタシね」
全身鎧──もとい桜が盾を構えた。
「掛かって来いやコラァ! ヘイトシールド!」
盾を掲げると前方に桜の三倍の大きさはある、半透明の盾が現れた。
「……って、持ってる盾の意味は!」
「アレは敵対者の攻撃を集める効果があるんじゃが、出した魔法の盾から余り離れられんから、攻撃と盾との間に居ると当たるんじゃよ、じゃから手に持つ盾で防ぐ必要があるんじゃ」
なんと言うか微妙……攻撃が集まるのはいいけど、自分に飛んで来た攻撃を防ぐのは自力らしい。
「3人は練習したお陰で魔力を制御する感覚は分かる筈じゃ、今なら魔法を使う際に手を加え多少は違う使い方も出来るじゃろう、少し時間を取るから色々と試してみるんじゃな」
三人はそれぞれバラバラに別れて練習し始めた。
楓ちゃんは炎の大剣を作って横に振ったりしている。
紅葉ちゃんは目に見える速度で竜巻の様に風を纏った矢を放ったりしている。
桜は……さっきとは違い、小さな盾が周囲を覆う様に何個も浮かんでいる。
「さて、彼女等が練習している間に椿君は魔力の扱い方の入門編じゃ、先程魔法を使った際に魔力が動いた感覚は何となく分かったじゃろう」
「あぁ、露骨に目の前に集まってたしな」
言われるまでも無く、目に見える形で流れ出て目の前に集まってたんだから、分からない筈がない、自分から動かせるかは微妙だけど。
「まずはその感覚を元に魔力を動かし、魔力の玉を作るんじゃ、この様にな」
真っ直ぐ伸ばした手は、手首辺りから黒いモノに覆われ丸くなっていた、なんかド○え●んの手みたいだな。
「最初の内は体から離さずに作った方がやり易いじゃろう、慣れて来たらこの様に……」
黒い球状の魔力が手首辺りから上に上がって行き、手の平の上に浮かんだ。
「体から離した状態で維持出来る様に成れば入門編は合格じゃ、今から少しやってみるといいぞ」
魔力が動く感じを思い出しながら試してみるものの、上手くいかない。
全く動かないならまだしも、勢いよく動いて手の平から噴き出す。
今ならか●は○波擬きが出来そうだ。
「椿君は恐らく変身している状態では魔力が多過ぎる為か、動かそうとする度に体から押し出されるのかも知れないの」
確かに、動かそうとする度に胸の辺りから溢れて来ている気がする。
そう言うとギュンターは困った表情を浮かべた。
「魔核から溢れて来ると言う事は、やはり多過ぎる魔力が密度を増しているんじゃろう、椿君は変身してない状態から練習した方がいいかも知れんの」
余り嬉しく無いチートはこんな所でも嬉しく無い効果を発揮しているらしい。
確かに少ないよりはいいけど、苦労が二倍とか面倒な事この上無い。
そんなやり取りをしている途中で大きな音が響き渡った。
周囲を見渡すと、楓ちゃんが居た所で炎の柱が立っていた。
炎の柱を見ていると楓ちゃんが煤だらけの格好でこっちに歩いて来た。
「少し失敗してしまいました」
どうしたのか聞いてみると、炎を飛ばさずに使うとどうなるか試していたらしい、そうすると降り下ろした所から勢い良く炎が吹き出し火柱に巻き込まれた、と言う事だ。
「楓大丈夫ー?」
「あら? 煤だらけじゃない」
紅葉ちゃんと桜も心配したのか、集まってきた。
「防御障壁のお陰で無事だった様じゃが、応用編は少々早かったかのぅ? 今日はここまでにして早く風呂に入らんとな」
「皆さんにご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
楓ちゃんがしょんぼりとして頭を下げている。
「別に構わないわよ、アタシはあんまり出来そうな事が無かったもの」
「俺も丁度一段落した所だと思うから、問題無いんじゃないかな?」
「おっ風呂ー早くお風呂行こうよ」
紅葉ちゃんは楓ちゃんの手を掴み、引っ張って行こうとしている。
「ちょ、ちょっと待って下さい、そんなに引っ張らないで」
「こら! 変身を解除してからじゃ、そのまま行こうとするでない!」
ギュンターが怒鳴り声を上げて、紅葉ちゃんと楓ちゃんの後を追っていく。
「椿ちゃんも早く来ないと置いて行かれちゃうわよ?」
そう言い残して桜も彼女達の方へ歩いて行く。
俺は未だ残る炎の柱の方を見て『アレ、まだ消えて無いんだけどいいのか? 』と思ったが、本当に置いて行かれそうだったので、急いで後を追った。
既に10話なのに未だに初日が半分も終わってない。
もっと1話の文章量を上げた方がいいかなー?
未だに感想はありませんが、評価が付いたりブックマーク登録して下さる人が居たって事は、多少は続きが気になってくれる人が居ると言う事なんでしょうね。
予想以上にやる気が出ました。
次の執筆頑張ります。