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第106話『教師を変えてミーシャの初練習開始』

丸一日以上遅れました。

と言うか、普通に忘れていました、申し訳無い。

多分、今回は多少文字数多め。



 魔力を抑える練習が一段落した為、昼を済ませて練習場に戻ると正座で説教されるレンと、説教しているギュンターが居た。


 簡単に言うと『初日から授業放置するとかアカンやん』と言う事らしい。

 まぁ、ミーシャは結局今日レンから何一つ教わっていないので、当然と言えば当然である。



 レンは反省の為、正座で座らせたまま監視の為にここで見学らしい。

 そして、ギュンターはレンの監視兼俺達の教師役をする様だ。


 ギュンターが教える事に関して、ミーシャが凄く驚いて嬉しがっていた……レンの時とは大違いである。



 まぁ、ミーシャに聞いた所、女王を除けば国家魔法師筆頭とは、この国で1番の魔法師らしいので、当然と言えるのかも知れない。



 仕事は大丈夫なのか、若干心配になって聞いてみたが、魔法師としての仕事は自分が必要な程の案件は無く、大半は部下がやっている為に自分の居る場所を伝えておけば、執務室に居ないといけない程の事は無いらしい。


 魔法師で無くてもいい類も、宰相がやっているんだとか……宰相が俺達の出迎えの任にあった時はギュンターがある程度肩代わりしていたので、丁度良かったとか何とか。



 そもそも今、1番重要性が高い案件は俺達の育成なので、丁度いい機会とばかりに他に任せられる仕事を任せて、これからはギュンターが主体に教える事にした、と伝えられた。



 まぁ、国の存亡にも関わるので、重要性が高くても不思議ではない。


 むしろ、今まで練習時に先生役が居ない時があった方がおかしかった、とも言える。









 ギュンターを教師役にして最初にやったのは、今自分が最も得意だと言える事の実演である。

 長所を伸ばす為に、現時点で出来る事の上限や方法を見たいらしい。


 俺は複数の魔力弾を飛ばすのと、折角大規模の方の練習場なので、出来る範囲で最大量の圧縮魔力弾をブッ放した。


 10×20の魔力弾に、大体五百程の魔力を込めた圧縮魔力弾を使ったので、割と残りの魔力量がヤバい。

 昼食を挟んだからか、それとも地味に自然回復量が多めなのか、午前にそれなりに使った割には多少の余裕はあるが、合計七百位は使った為、残り百は確実に下回っている。



 ちなみに、圧縮魔力弾は凄い威力ではあったが、魔力レーザーレベルには程遠い結果だった。

 むしろ、ミーシャが使ってた奴と比べると余り差が無い位だったので、ギュンターは多少感心していたが、魔力量任せのゴリ押しで全然ダメダメである。




 他は桜は岩の壁を作り、楓ちゃんは火の魔法剣っぽい感じに炎の斬撃を飛ばし、紅葉ちゃんは…………特に思い浮かばなかったのか普通に文字魔法を通して矢を放っていた。


 菊次郎爺さんは、納得のいくモノが無かったのか、文字魔法を使って宙を駆ける、と言う事をしただけである。





 さて、ミーシャの番な訳だが……かなり悩んでいた。

 午前にミーシャの魔力量的には相当な量を使用した為、最大威力で例の魔法が使えないので、何をやるか悩んでいるらしい。



 こっちの世界の常識的な部分は詳しく無い為、ぶっちゃけ例の魔法を魔方陣主体で最低限の魔力弾を撃ち込むだけでも、十分凄いと思ったので。

「普通に魔方陣の複数展開を見せられれば、十分技量は伝わるんじゃないか?」


 と話し掛けた所、迷いが断ち切れたのか、魔方陣を展開し始めた。



 作られた魔方陣の数や大きさは、前に見た時と同じ位だったが、最後に作り出した魔力弾は赤い小さな物だった。



 実際放った際の威力は、前に見た時よりも控え目で、俺が普段使っている百位の魔力の圧縮魔力弾よりは威力がありそうだが、最大時の半分も無さそうだった。






「さて、お主らの今の魔法の腕を見せて貰った訳なんじゃが、全体的に魔力の純度不足の様じゃな」


 純度って……まぁ俺に関しては魔力量任せだから、確実に足りてなさそうだけど。


「魔力と言う物は、文字魔法を使わずとも密度を上げ魔力の純度を高められる物なんじゃ。

 椿君が使う圧縮した魔力弾も近い形ではあるが、密閉された容器に入れ続けると言う、維持と放出を使った力業じゃからな。

 本来は、少ない魔力で如何に高い威力を出すか、と言う技術……なんじゃが、少々難しくての」



 魔力で型どられた容器の大きさを変えず、壊れない様に入れ続けると言うのが維持と放出なんだろう。

 多分圧縮魔力弾の大きさを途中で変えようとすると、暴発しそうなので難しいのは何となく分かる。



「分かり易く属性魔法を使った魔力弾で、実演してみるが……まずは普通の魔力弾じゃな」


 ギュンターが周りに見え易い様に、掌を頭上に掲げて黒い魔力弾を作り出した。



「これを一回り小さく圧縮するとこうなり、更に半分程に圧縮すると面積が狭くなる代わりに威力は倍に跳ね上がる訳じゃな」


 言葉の合間に、黒い魔力弾は小さくより濃い黒になっていく。




「ここまではお主らでも、練習すればやれるじゃろう。

 現に国に仕える魔法師は、大抵ここまでなら出来る筈じゃ」


 まぁ、機械兵っぽい侵略者は普通の魔力弾の倍程度だと、多少装甲が歪む程度だろうしな。

 多分一般兵レベルだと、決め手が無いまま魔力切れでやられる。

 そもそも、数が多いんだから実力者が数十~数百程倒しても相手の数次第では、魔力が切れた所で押し切られる。


 魔装具ありなら、数十万単位ある上にサポートありだからこそ、あの蹂躙劇になったが、恐らく何とか侵略者の大軍を何とか倒せても、巨大ロボの様な奴に押し切られて滅んでいた可能性もある。


 多分呼び出すタイミングが遅ければ、俺達も巨大ロボ相手には危なかった気がするので、かなりいいタイミングだったんだろう。


 軽く数百~数千位使ってやっと装甲を貫けた位だし。




「ミーシャ君が使っていた文字魔法も、幾つか圧縮の効果があった様じゃから、実質圧縮の分を増幅に回せて更に威力も上げられる筈じゃよ。

 流石に倍以上となると、文字魔法の維持に支障が出そうじゃから難しいじゃろうがな」



 試しにやってみたら、かなり辛い。

 倍は愚か、一回り小さくするのでさえ集中力を奪われる。


 感覚的に言うと、文字魔法や魔力弾の複数展開が同時に何かをする感じだが。

 圧縮は手の上に棒を立ててバランスを取る様なモノだろうか?。

 圧縮率を上げる度に勢い良く棒が延びていく感じなので、一気に収縮させようとすると多分、すぐさま壊れる。



 ちなみに外殻に魔力を集中させると、太さが増し安定感が出る感じに近い。

 勿論、重さが増す様なモノなので、バランス感覚的な部分以外に負荷が掛かり負担が増えるから、外殻を強化すればいいと言う訳でもない。


 と言うか、外殻の強化も圧縮に近いので、むしろ全体的な負担は余り変わらない。





 何とか5割増し位まで圧縮出来たが、それ以上はまだ出来そうに無い。

 維持はそんなに集中力が必要無いので、とりあえず維持したまま周囲を見回すと。






 俺と同じ位な桜と楓ちゃん。

 思ったより出来て、ギリギリ倍位になってそうな紅葉ちゃんとミーシャ。






 そして、相変わらず規格外っぽい事に、4倍位はいってそうな小さな魔力弾を胸の前に両手で覆う様にして、作り出している菊次郎爺さん。


 本当にこの爺さん1人だけ、レベルが違い過ぎないか?。

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