第100話『複数展開の研究(仮)』
薄い内容ながら遂に3桁話の大台に入りました。
何かもう、苦手と言うのもあるけど、細かいやり取りが中々浮かばなくて執筆が進みません。
どうでも良さげな細かい設定や説明とか、放り投げたくなりますね。
ドン引きする位に熱烈な説得されて、レンと単体文字の複数同時使用について一緒に調べる事になった。
とは言っても、本格的に研究するには必要な道具が無いので、少し調べる程度らしい。
まぁ、あんだけ研究する事に執着してたのを見ると、実際少しと言う程度で済むのか若干心配だ。
さて、早速調べ始める訳だが、最初は先程俺がやった数十にも及ぶ複数同時使用による魔力弾を、レンが試しに使ってみる事から始まった。
「……やっぱり……思ったより難しい……」
レンが手を翳すと、1つ2つ3つ、と前方に次々に文字が描かれるが、6個目辺りから作る速度が落ち始め、9を超えた辺りにはかなりゆっくりとした速度になり、15個目には完全に止まった。
「……今の段階では……これ以上作ると……撃ち出す分を作る余裕が……無くなる……」
「むしろ慣れないやり方で初っ端からそんだけ作れれば充分じゃないか?」
何せ文字魔法の複数展開は魔力弾を複数作るより難しい、魔力弾を浮かべるだけなら50は余裕を持って出来るし、別々に動かすなら10辺りなら安定して制御出来る様になった俺でも安定して使えるラインは、40位だと思う。
幾ら魔方陣と属性魔力弾2つを使って、更にある程度集中力を費やしそうな雷属性を使えるとは言え、元々魔力弾を複数出す事が無いらしい世界である。
今まで4つや5つまでしかお手玉をしてなかったのに、いきなり10を超える数に挑戦しようとした様なモノなのに、それなりに出来ているのであれば、結構上手くやれてる方なのだ。
「……いきなり……あんな数出来る椿は……変態……」
「唐突に失礼な事言うなっ!? 魔力弾浮かべられる数よりは少ないわ!」
ボソッと心外な事を言われたので、声を荒げて反論したものの、むしろ距離を離された。
なんでやねん。
「……そんなに数を出すより……文字魔法で広範囲に広げる方が楽……やっぱり椿は……変人……」
いや、教わってねぇだけだし。
魔法使いと言えば射撃魔法で弾幕張るもんだろ……いや、アレは魔砲少女とか忘れさられた種族とかがいる隔離された世界の常識だけど。
さて、俺の精神にダメージを受けたが、切り替えて複数同時使用の研究に話を戻した訳だが。
何となく自分から離れる程に維持するのが難しいので、普通にやっていたが文字魔法も言うまでも無く、離れれば離れる程制御が困難になるらしく、数を増やすには直線上に配置すると20は無理らしい。
数が増える度に難易度が上がるのに、自分から離す程に困難になっていく為、相当な工夫をしないと展開出来る数に限界がある。
ちなみに、割と幅を取るので俺がやった様に一周させるのも、二周までが限界で大体50が限度だろう。
と言うか、多分俺が安全に出来る範囲も50~60位だと思うので、個人的には現時点で余り問題は無い。
そして他にも、使う文字は増幅系は効果が一定レベルで増加するが、速度等の様に間接的に増幅する場合は一定の割合で増幅し続ける様だが、直接的に増幅させる文字は文字魔法に使った魔力量に近い効果しかないらしい。
同じく【火】の様な付加型も魔力量相応の効果しか無い様なのだが、代わりに文字の意味合いで決まる限界を超えても一定の効果があるらしく、【火】の限界が10であれば文字魔法で20を使う場合、魔方陣で【火】を20で1つ作るよりも、単体使用で1の魔力量の文字を20個使う方が高い効果になる様だ。
勿論、【炎】であれば限界が20を下回っていなければ、魔方陣で20使った【炎】の方が作り易く効果も高くなる可能性がある為、数多く展開出来れば限界を超えた効果を付加出来るかも知れない程度である。
「……実際……どの程度効果があるのか……ちゃんと調べるには……専用の機材が必要……すぐに用意出来ないから……残念……」
本格的に調べる場合は、様々な事を数値化出来る魔道具や機械があるらしく、それを使ってどの程度の効果があるか調べられるらしい。
その機材が無い状態では、実際に有用性がどの程度あるのか判断出来ないんだとか。
「ところで結構放置してるけど、アイツ等はどうすんだ?」
「……あっ……」
調べるのに夢中だった為に、どんな結論に至ったのか剣を振り下ろし地面に大きな破壊の跡を作り続ける楓ちゃん。
逆に土壁や岩をあちこちに作る桜、矢を乱射して的として置いてあった物を幾つもボロボロの穴だらけにする紅葉ちゃん。
そして、遂には空中で音はすれど姿は見えぬってレベルで跳ね回ってるっぽい菊次郎爺さん。
抑える人が居ないとこうなるんだな~……今まで勝手に練習させてて大丈夫だったんだろうか。