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死神、厄介事に巻き込まれる 中編

「うーん、とりあえず呪いの類ではなさそうね…」

「なるほど…だとすればあのキノコは一体…」


一通り調べたが、呪いの類は見当たらない。

とすれば、魔理沙が小さくなった原因はキノコそのものにあるという事だ。


「でも、そのキノコは魔理沙も知らなかったのよね?」

「ええ、魔理沙も見た事無いって言ってたわ」

「…キノコではなくてマジックアイテムだったかもしれない線を潰してみよう。パチュリーの所に行こう」

「そうね。あそこであのキノコの事が載ってる本もあるかもしれないし…」

「またお空飛ぶのー?」

「まぁ、そんな所だよ。霊夢、一応そのキノコが他にまだあった場合、同じ被害が出る可能性もあるから、ここで警戒しておいてくれるか?」

「分かったわ。…じゃあね魔理沙」

「わわ、だから何でだきつくのー?」

「…ったく、メロメロになってるじゃねえか…」


紅魔館の門の前に着いた。


「ぐー…すぴー…」

「…俺はこいつが起きてる所を見た事が全く無いんだが」

「私もよ」

「いねむりしてる…そとで寝たらかぜひくよー?」


ちょいちょい、と魔理沙が美鈴のほっぺをつつくと、美鈴は目を覚ました。


「あれ、可愛い子…迷子になったの?この辺は危ないよ?」

「生憎だが迷子じゃなくて客だよ」

「うわっ、虚空さん!?珍しいですねこんな時間に。アリスさんも」

「とりあえず、パチュリーの所に行きたいんだけど」

「分かりました、咲夜さんに伝えてきます。…ところで、その子は?」

「まぁ、話せば長くなるが、一応魔理沙だよ」

「え、えぇぇぇぇっ!?」




「わー…すっごいお家…」

「ねえ、これ、本当に魔理沙なの?」

「ああ、そうらしい。とりあえず原因を調べにパチュリーの知識を借りようと思ったんだ」


長い廊下を、咲夜に先導されて歩く虚空とアリスと魔理沙。

魔理沙はアリスと手を繋いで、あたりをキョロキョロと見回している。


「なるほど…しかし、なんというか…可愛いですね…」

「ん?…えへへー」

「…本当に魔理沙なのよね?可愛すぎるんだけど」

「そうよねー…」

「常時誘惑、ってとこなのかこの状態は」


図書館に入り、パチュリーに魔理沙を会わせる。


「いらっしゃい。話はさっき咲夜から聞いたわ。とりあえず、魔理沙は?」

「ここにいるよ!」

「……むきゅん」


パチュリーは元気に返事をする魔理沙を見て、うっとりした表情になった。


「うっとりしてるところ悪いんだが、とりあえず魔理沙がこうなった原因を知りたい。キノコに関する本を集めてくれないか?」

「…はっ、わ、分かったわ。小悪魔、お願い」

「分かりましたー!」

「さて、探させてる間に魔法の痕跡を探る、」

「……えへへー」


何時の間にか魔理沙がパチュリーに抱きついていた。


「…羨ましい」

「…あの、少しこのまま居たいんだけど」

「…3分までな」




「魔法の痕跡も見当たらなかったわ。…お手上げよ」

「どの本にも、魔理沙が採ろうとしたキノコの記述は無し、か…」

「完全にお手上げ状態ね。…本人はこんなに呑気だけど」


本を調べ尽くして、ぐったりする虚空達の視線の先には、小悪魔の膝枕ですやすや寝息を立てる魔理沙の姿があった。


「ったく、本当に呑気だなおい…」

「でも可愛いから許す」

「そうね」

「許すのかよ。…んー、一応何も対処法が無いか…」


困り果てて唸る虚空。


「…そうだ、永琳さんなら薬でどうにかできるかもしれない」

「…!確かにそうかもね」

「私としてはこのままで居てほしいんだけど、」

「いや、それはいろいろマズイだろ。あの状態じゃ飛べないから本も借りに来られないけどそれでいいのか?」

「…むきゅう」

「魔理沙、起きて。また空を飛ぶから」

「んぅ…はーい…」


魔理沙を起こして、人里へと飛ぶ。


「はーい…お、虚空か。どうしたんだ?」

「永遠亭に行きたいから、妹紅を呼んでほしいんだが」

「私なら居るけど…怪我人か?」


三人の姿は人里の寺子屋の前にあった。


「いや、実はな…」

「えへへー」

「…おい、誰だこの子は。まさか誘拐、」

「違うわ。説明するからちゃんと聞けよ」


虚空説明中...


「魔理沙なのかこの子…」

「そうだよー」

「やたら無邪気になってるし、可愛いな」

「うにゃー…」


くしゃくしゃと魔理沙の頭を撫でる妹紅も、顔がにやけていた。


「何というか、癒されるな」

「そうだな…とりあえず、妹紅は今どこに?」

「竹林の入り口に居るはずだ。呼べばすぐに来ると思うぞ」

「わかった、すぐに向かうよ」


竹林の入り口へと飛ぶと、もぐもぐと何かを食べている妹紅が居た。


「よう、ちょっといいか?」

「ん、虚空にアリス…それに、その子供は?」

「あー…歩きながら話す。永遠亭までの案内を頼むよ」

「ああ、わかった」


案内をしてもらう間に、ここまでの顛末を話す。

妹紅は、苦笑いを浮かべていた。




「もう疲れたー!あるきたくないー」


竹林の途中で、魔理沙が座り込んでしまった。


「子どもになってしまってるから、少し辛かったか…?」

「連れ歩いて、疲れも溜まってるだろうし…」

「…仕方ない、おんぶしてやるよ」

「本当!?ありがとう!」


妹紅が魔理沙をおんぶしてあげた。


「しかし、私も永く生きているけど動くキノコなんて聞いた事無いぞ?」

「まぁそうだろうな…俺にも正体が分からんし本当にお手上げだ」

「すー…」

「…まぁ、本人がこんな調子だからこっちも調子狂ってるのかもしれないわね」

「それは…言えてるかもな」




「よっと…ありがとう妹紅」

「いやいや。ところで、お前も結構永く生きてるんだからそろそろ竹林の道も覚えられるんじゃないのかー?」

「いや、毎日通ってる訳じゃないから無理だっての」

「それもそうか。…じゃあ私はここで待ってるから」


永遠亭の入口のところで、妹紅がおぶっていた魔理沙を抱きかかえるようにして受け取る虚空。


「帰りもお願いしますね」

「ああ」

「…すいませーん」

「はいはーい、今行きます!」


ガラガラっと玄関が開き、鈴仙が顔を出した。


「あれ、虚空さんどうしたんですか?それにアリスさんも?」

「とりあえず、永琳さんはいるか?実は…」


虚空説明中...


「じゃあ、その抱きかかえてる女の子は魔理沙さんなんですか…」

「まぁそういう事だよ」

「とりあえず中にどうぞ。すぐ呼んできます」

「ありがとう」





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