表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

第四章

走り終えた選手たちは、それぞれの会社の応援団の人たちの出迎えを受けた。


わたしは、菊田くんのチームの応援団が集まる場所へと向かった。

選手たちや監督のあいさつの後、集まりの輪が解けると、同級生たちが菊田くんに近寄って行った。


わたしは、隠れるように立っていた。


「金子さんが来てるぞ」

同級生の言葉の後、菊田くんはわたしを見つけたようだったが、

「こ…こんにちは」

と言ってから、体を反らしてしまった。


わたしが来ても、全然喜んでなさそう。

優勝できなかったし、不機嫌なのも仕方ないかな……。

などと思っていたら、同級生の一人が、菊田くんに言う。 

「緊張してるんだろうけど、もっと明るく応対しないか? ここから、新しいラブストーリーが始まるかもよ!」

「なにが新しいラブストーリーだ。そんな言い方、金子さんに悪いだろう」

「オマエは、走ることにはどん欲に突き進むのに、恋には臆病なんだよな。ずっと好きだった金子さんが目の前にいながら、何もできないなんて」


『ずっと好きだった金子さん』

本人の口から直接出た言葉ではないから、なかなか信じられない。


思い切って、尋ねてみる。

「ずっと好きだったって、本当なの?」


「そうだよ」

菊田くんは、うつむいて、地面にささやくように言った。


「わたしも、ずっと好き。少し離れたところから、ずっと見ていたの」

菊田くんのチームメートや、応援に来た会社の人たちまで、わたしたちに視線を注いできて、かなり恥ずかしくなった。


「今度、メールしてもいい?」

うつむき加減だった菊田くんが、顔を上げて言った。

わたしの大好きな、柔らかな笑顔を見せながら。

「いいよ」

お互いのアドレスも知らなかったから、まずは連絡先を交換した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ