まずは自己紹介
適当に考えた話です。ゆる~く進めていきたいですね。
魂は流転する。
魂は巡る、廻る、次の命へと、再利用される。
エコですね。
所謂、生まれ変わりというやつなのですが。
限りある資源、有効に使いましょう……なんて訳ではないのでしょうが。
いきなりこんな話から始まってしまい、申し訳ありません。
つまり、私の事なのですよ。生まれ変わり、転生者……前世の記憶を持つ者。
それが、私。
詳しく説明を致しましょう。
私には前世の記憶があります。男性でした。名前は……別にいいですね、本題には関係ないですし。
地球、と呼ばれる世界……惑星に生きていました。太陽系のひとつです。
地球といっても幾つもある平行世界のどれなのか、まではさすがに分かりません。そもそも名称の区別がありませんし、それぞれの世界で生きる方々は平行世界が存在する、という確証自体を掴んでいませんでしたから。
パラレルワールドは空想上のお話だったのです。私はその存在を知っておりましたが。
とにかく、私は一人の普通の男性として生活を送り、つつがなくその生涯を終えました。
普通の一生でした。持っている記憶以外は。
実は、私にはそのさらに前世の記憶もありました。
また、その前世の記憶も。
転生の回数はいざ知らず、私は数え切れない程の前世、前前世、前前前世……達の記憶を持っているのです。
……生まれ変わり過ぎだ。
始めの頃の記憶はもうよく覚えておりません。
あれです、普通に忘れました。子供時代の記憶が遠くなるように、あやふやになっているのです。
年齢のせいではありません。物忘れじゃないです。私は若いです。生まれ変わったら年齢なんてリセットです。常にピチピチです。
魂に加齢現象があるのかなんて分かりませんよ。
少なくとも、私にその自覚はないのですから。
前世は前世として、今世とは違う、ただの記憶のみとして意識しているからなのかもしれません。
ぶっちゃけ、あまり関心がないのです。
だって、所詮はただの前世ですから。しかも世界を跨いでの生まれ変わりがほとんどなので、記憶の活用法が無い事が多いです。
……ドラゴンに丸呑みされた次の生が近未来的えすえふわーるど生活全般おーとまろぼっと制御の肌青色人間って、何。別モノ過ぎるにも程があります。
少々長い説明になってしまいましたが、私がどんな存在なのかはお分かりいただけたかと思います。
何度も転生を繰り返してきた、幾つもの世界の記憶を持つ魂……チート能力はなく、始まりを知らない。
大した存在ではないのです。
どうか気楽になさって下さい。
これから話し始めるのは、今世の私の物語。
ある勇者の側にいた、傍観者が眺めたとある英雄譚……ただそれだけです。