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第四王子の奇行物語  作者: 秋鐘 要
幼少編
7/31

6話

母さんがなんかイケメンお兄さんをつれてきた日から俺の日常は変わった。


まだまだ若そうな18歳くらいの少年、いや青年はずっと俺のそばを離れない。

なんでかはよくわからないが離れない。

ずっと椅子に座って本を読んでいる。

俺の世話なんかをしていてお手伝いさんのお仕事がなくなると思う。ってくらいいろいろと世話を焼いてくれる。

なんだろ、赤ちゃんの体験実習かなんかなのだろうかなんて思った。


別にいてもいいんだけど……でも明らかに強そうな気がするイケメンお兄さんの前で拙い魔法を使うなんて俺には勇気が出ない。なので魔法の練習できる時間が大幅に減った。なので最近はでかい魔法をばんっ!とやって魔力量を最大限使って魔力を増やすと言うやり方を編み出した。

意外とこれがよくて最近魔力が増えた。


今日もぼーっと天井を見ていると精霊のセイがこっちを見て心配そうな顔をしていた。

きっと俺が死んだように動かないからだろう。


時々青年は俺のとこに来て本を読み始める。

でもその本もう読んでしまっており、でも読んだよなんて言えない。


ていうか赤ちゃんの俺が流暢に話始めたら怖いと思う。そう思ってもっと大きくなるまで――五歳くらいかなーー無口な少年としていることに決めた。



────────────────



「ユアルス様おはようございます」


そんな声が聞こえてまだ眠いまぶたをうっすら開ける。

そこにはあのイケメンお兄さんの顔があった。


朝っぱらからイケメンが見れるとはなかなか目覚めのいい朝だと思う。


「ユアルス様。申し訳ございませんが今日は用事がありましておりません。本当に申し訳ありません」


そう言って頭を下げるイケメンお兄さん。

いやいや、別にどこいってもいいと思うけど

そんな頭を下げることではないでしょ。


何分かしてからイケメンお兄さんは出ていった。


さてさて今日は魔法の練習時間がいつもよりたくさんとれそうだ。


今日もまた魔法をいろいろと研究していた。

そしたらコンコンと扉を叩く音が聞こえてあわててぐだーと脱力するように寝る。


イケメンお兄さんは今日いないっていってたしまだお昼の時間じゃないからお手伝いさんは違うはず。なら誰だろ。


そして入ってきたのは太陽のような笑顔をした母さんだった。


「おはようユアルス!」


今日も元気だな母さんよ。

俺を抱き上げる母さんはニコニコ笑って俺に話しかけてくる。


「今日はあのうるさいアルナイルがいない日よ!だからお外にこっそり行きましょうか!」


母さんとイケメンお兄さんはよく言い合っている。

たぶん俺のことで。

俺なんかのことで争わないでくれっ!

なんてよく思う。

意外と過保護なイケメンお兄さんと親バカ母さんだと思う。


ていうかお外……外?

はじめてのお外ですか。

そりゃあいいっすね。

日光浴とかやってみたいね。


母さんは俺を抱きながらはじめて部屋の外に出た。


部屋の外はものすごく豪華だった。


なんていうかここはお城?ってくらい。

もしかしたらお城なのかもしれない。


誰ともすれ違わなくついたところは雑草がたくさん生えたたぶん庭だった。


母さんはベンチに座ると寝ていた。

え?寝ちゃうのかい


まぁいいや母さんの腕の中にいながら周りを見渡す。すると鳥やリスらしき動物がよってきた。

え?俺もしかして魔力はなくても動物にすかれちゃう体質なのかな?

なんて思ったけど地球にいたときより動物と身近なのかもしれない。

近くに精霊もいて俺に手を降ってくる。


こんな荒れ果てた庭だけど意外と心地がよかった。


俺もうとうとと始めたときだったポツッと上から水のようなものが降ってきた。


え?と思い上を見ると青かった空が今は灰色に染め上がっている。


雨ではないか!

母さんよ!このままでは濡れて風邪引くぞ!


だんだん降ってくる量が増え始めてきた。


どうしよう!どうしよう!

ペチペチと母さんを叩くけど反応なし。


雨は次第に強くなる。

どうにか雨を止められないだろうかとヤケクソぎみに空に手を伸ばす。


目を瞑りながらふんっ!と声をあげて晴れた空をイメージする。


雨が上から降ってくるなか………ダメかと諦めかけたその時であった。一瞬まぶたの裏にまぶしい光が映りその後だんだん雨が弱まっていくではないか!おそるおそる目を開けると空を覆うようにしていた雲がなんと俺のいた場所から退いていくように消えていった。


は?


まさか退くとは思わなくてぽかーんと空を見上げる。

今はまたさっきのように晴れていた空が俺を見下ろしていた。


そして頭が混乱しているがあまり濡れなくてよかったと安心した瞬間激しい疲労感が襲ってきて俺は眠りについていた。


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