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第四王子の奇行物語  作者: 秋鐘 要
幼少編
6/31

5話

私は今これから従者として仕えるユアルス様についての話をエルザ様から聞いている。


その話を聞いたとき嘘だろって思った。


話をまとめると

まず第一にユアルス様はこの城では出来損ないの王子として知られているらしい。

なぜなら魔法が使えないから。

いや、この言い方は違うな……魔力がないからの方がしっくり来る。

話によるとユアルス様は色素の薄い銀髪ならしい。

世界一般では髪の色の濃さで魔力量が決まっており色素の薄い銀髪はまずないに等しい。

というか銀髪自体いない。


第二に何も喋らないらしい。

ぼーっとしていて動かない。

“まぁそこがかわいいんだけれど”なんてエルザ様はおっしゃっていたけど……怖いと俺は思った。


他にもいろいろとあるらしい。

でも見てみればわかると言われた。


はっきり言うと嫌だと思った。これから一生かけて仕えるはずの主人がそんなんだなんて。

エルザ様には悪いけど。


「あ……あと迷わないように気を付けてくださいね

ユアルスの部屋はほとんどの人が知らないでしょうし訳のわからない場所になっていますから」


ニッコリ太陽のように笑っておっしゃるエルザ様。


「……なぜそのように?」


「なぜ……簡単に言うと出来損ないはいらないと影に追いやられてる感じなのでしょうね」


悲しそうに笑うエルザ様。

自分の愛しい息子がそんな風な扱いを受ければ誰だってそうなるだろう。


「さぁつきましたよアルナイル殿」


そのには質素な扉が一つ。

コンコンと扉を叩いてから入るエルザ様。


「ユアルス!今日はあなたに紹介したい人をつれてきたわよ」


中からそんな声が聞こえた。

私もエルザ様に続き中に入る。

入って見たもの。


エルザ様が愛しいように抱いてつれてきた赤ん坊。

それがこの国の第四王子ユアルス・アレイン・トスカ様。


銀髪のさらさらとした髪は光の当たり具合によって虹色のような色に変わり綺麗だった。

そしてこっちを見る淡々とした目は宝石のような紫色。真っ白な肌は透けて見える。赤ん坊とは思えない無表情でこっちを見ている。

私をじっと見つめて離さない視線に私は縛られるように固まった。


「……っ」


これが……ユアルス様。

一生仕えるお方。


このとき俺はさっきまでの考えはすぐに消えこの方が主でもいいと思った。

理由なんてわからないけどなんとなく。


「ユアルス様。私はアルナイル・リース・レストニアと申します。これからあなた様の第一従者として仕えることになりました。どうぞよろしくお願いいたします」


俺はそういって主に頭を下げた。



ユアルスに仕える従者が決まってよかった!

私はやっと安心しました。

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