27話
留学して一週間たった。
卵がでかくなったというかでかすぎ。
子供一人丸まれば入れそうなくらいの大きさだ。しかもなかなか重い。
そして輝きも増した。
本当にこれはなんの卵か気になり始めてきたので毎日のように顔を擦り付けては声をかけるという繰り返しである。
微かに魔力を吸っていることもあって出来る限り魔力を与える。
これは期待出来そうだなぁと思っていた。
アルナイルさんも卵を見ては撫でようとして弾かれなんか可哀想だなって思えた。
そして今日は学校が無くて休みの日である。
一日中卵の前にいて話しかけている。
そろそろ魔力をあげようかなと思い手を触れた。
するとなんか昨日と違い魔力を吸いとる流れが速いことに気づいた。
……これは、どういうことだ?
疑問に思い卵に両手をつけてみる。
すると両手から魔力が吸いとられる。
とくに魔力が無くなるとは思えないので今度は体をくっつけてみた。
全身から魔力が吸いとられる感じがしてふぅと息が漏れる。
そのまま一時間魔力を流し続けた結果前より明らかに大きくなっていた。
これはこれは手を離してじーっと卵を見ていたら後ろから声がかかった。
「ユアルス様。お昼にございます」
「うん、今行くよ」
もう一度じーっと卵を一瞥してから部屋を出た。
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お昼も食べ終わりすぐに部屋に戻ろうとしたらアルナイルさんに声をかけられた。
「ユアルス様。卵のことを私も調べたのですがわかりませんでした……申し訳ありません」
ほんとに申し訳無さそうにしているアルナイルさんを見るとこっちまで罪悪感のようなものが生まれてくる。
「いや、大丈夫だよ。何が出てくるかのお楽しみっていうのも面白いと思うし」
俺はそそくさと部屋に戻った。
部屋に戻っても卵は前と同じ。どしんと部屋に置いてある。
特に変わった様子もなくちょっとがっかりする。
「早く生まれておいで」
卵を撫でながら呟く。
するとまた魔力を吸い始めたのだが、先程のゆっくりな感じだったのに今度は急激に魔力を吸っていく。
やばいと感じた時には目の前が真っ白になっていた。
設定上の問題で卵の大きさを具体的に入れました。




