表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第四王子の奇行物語  作者: 秋鐘 要
幼少編
12/31

11話

さぁ今日から雑草刈りだ!


前世の小学校のころよく雑草を抜いてたもんだ。

しゃがみこみ無心で雑草を抜きはじめる。

黙々と雑草を刈り続けていた。

それから昼食をとってまた太陽が落ちるまで雑草を抜いていた。


時々ちらほら精霊や動物が周りに来て興味津々といった感じで近づいてくるけど黙々とやっていたのですぐどこかへいってしまった。ごめんよみんな。


「ユアルス様。そろそろお部屋へ戻りましょう」


そう声がかかってはっと顔をあげるとそこにはいつの間にかアルナイルさんが立っていた。


周りを見渡すとだいたい半分くらいの雑草が抜けていて一ヶ所に抜いた雑草が山のようになっていた。


「お疲れさまです。ずいぶんと抜けましたね」


アルナイルさんに近づくと笑ってそう言う。

俺は達成感に満ち溢れた気持ちだったので力強く頷いた。


部屋に戻ると早速とばかりに風呂に入れられる。


そしてあがったらふかふかしたベッドに横になって今日の疲れを癒すかのように深く眠りについた。



それから次の日も同じような感じで二日かけて雑草を抜き終えた。


今はさっぱりした庭のベンチに座って次の行動を考えていた。

さぁ雑草は抜いたので次は何をしようか……。


そういえば池を作る予定だからスコップかなんかが必要か。

あとは…石なんかで通り道造らないとな。

石畳の道はおしゃれだしね。


あとは、花かぁ。

花だったら精霊でどうにかならないかな。

あとでセイたちに聞いてみよ。


他にはなにかあるかな……ガーデニングなんてやったことないしなぁ。


さて……どうするかと考えていたときふと周りを見ると動物たちがよってきていた。


リスのような動物やミンクのようなものまでいる。

なんか動物に好かれやすい体質なようだ。


可愛いなぁ。

リスのような動物に手を伸ばすと手に体を擦り寄せてくる。

いつの間にか動物たちと戯れていた。

しかし、突然動物たちが戻っていってしまった。


どうしたんだろ


動物たちを視線で追っていると


「何をしているんだい?」

といきなり声を掛けられ俺は肩を大きく跳ね上がらせた。


び、びっくりしたぁ


声のした方を向くとそこには燃えるような真っ赤な髪と目をしていて豪華な服を着た威厳のあるおじさんが立っていた。


誰?


「そこ、隣いいかい?」


俺の隣を指さし威厳のある雰囲気を少しだけ崩して笑った。


なんだこのおじさん……ただ者ではないな


俺はこくっと頷いて隣を開ける。

そして隣に座ったおじさんはふぅと息をついたあと周りを見渡した。


「雑草がなくなってしまったね。君がやったのかい?」


俺をチラッと見てそう聞くのでまた頷いた。


「そうか……さぞや大変だっただろう。ところでここに何か造るのかい?」


「はい。綺麗な庭を……」


小さく呟くように言うとおじさんはなるほどと唸る。

「で、君は雑草を抜いたのはいいけどどうしようか考えていたわけだね?」


疑問で聞いてくるけど確定した言い方をするおじさん。

エスパーなんじゃないかと疑う。

頷いて俯くとおじさんはまた唸る。


「うむ。まずは何を造りたい?」


「池を造ろうかと………」


「なるぼど池か」


うんうんと頷いておじさんは立ち上がる。

俺も習って立ち上がりおじさんについていくと庭の中央で止まる。


「うむ。」


そう一つ頷くと突如半径一メートルくらいの円の穴がが出来上がった。


な?!


「どうだ?このくらいで」


「は、はい……調度いいです……」


驚愕の表情でおじさんを見上げる。

そんな俺の顔をみてふふっと笑うおじさん。


「そうか……君の手伝いができてよかったよ。

ここの庭が出来たら私も来ていいかな?」


俺はぶんぶんと頭を縦にふる。

そんな俺の頭をわしゃわしゃと撫でて颯爽と庭から出ていった。


なんだったんだ……あのおじさん。

でも、手間が省けた。

それにしてもあんな魔法が使えるとは………。

やはり俺はまだまだだな

俺もあとでやってみよう。



───────────────────


それからというものおじさんが作ってくれた池に水をいれたり石畳を何日もかけて造ったりとすこーしづつ庭の形を造っていった。


時々あのおじさんや母様、アルナイルさんとかが来たりした。みんな笑って俺のことを見ててこっちも完成までこだわりを持って頑張ろう思わせる。


そして、ついに残りは花を咲かすだけとなっていた。

ここまでに半年以上はかかったと思う。


「よし!今日は花を咲かせる日だ!」


精霊たちを連れて庭に入る。

我ながらいい感じの庭ができてると思う。


「よし!精霊のみなさん!よろしく」


精霊たちに掛け声をかけると力強く頷いて花を咲かせる定位置につく。


そして精霊たちが力を込めはじめた瞬間ぶわっと風が巻き起こり目を一瞬閉じる。

そして目を開けるといつの間にか大量の花たちが風に吹かれて揺れていた。


「うわぁ!すごい!!すごいよみんな」


満面の笑みで精霊たちを褒め称える。

みんな嬉しそうな顔をして近寄ってくる。


「綺麗だね」


ベンチに座りながら呟いた。

何分か精霊が生み出した花を見ているとふと何かが花の中で動いた。


ん?


興味をそそられてその場所に行くとふわっと花の香りが強く漂う。そして動いた場所から何かが飛び出してきた。

驚いてその何かを目で追うとそこには一人の美女が立っていた。


「うわぁ……」


感激のあまりまじまじと美女を見上げる。

美女は俺を見るとニッコリ微笑んで凛とした声で喋りはじめる。


『こんにちは王子様。私はここの花たちから生まれた精霊アダラ。生み出してくれてありがとう』


美しく笑うアダラ。めちゃくちゃ綺麗でついつい見とれてしまった。


『他の花の精たちも喜んでるわ』


アダラがそう言うと他の精霊たちも飛び出してくる。そしてまるで踊るかのように花の上で回りだす。


「僕はユアルス……僕はなにもやってないよ」


『いいえ貴方の強い気持ちが無いと精霊たちは従わないわ。ほんとにありがとう。ユアルスにこれを』


アダラは俺に何かを差し出す。


『それは、植えるととても美しい花が咲くのよ。その花は万能薬になるのだけれど……人間は愚かだから使い方を間違えると大変なことになるわ。だから使い方には気を付けて』


最後になんか忠告をされてお花畑の中に消えていった。


ていうかさ俺思ったんだけど。

こういうのってさ主人公が女の時にある話じゃねぇの?なんで男の俺が……


なんて複雑な心境を抱きつつ精霊たちを連れて部屋に戻るのだった。







あのおじさんの正体は……?

わかる人もいるかと思います!

予想をしてみてください


主人公が女の子のような状況に立たされていることに気づいた私。

男と言えば冒険者とかじゃね?とか思ったり思わなかったり………

アダラったら人間は愚かだからとかさらっと言っちゃうし…


まぁそんなことは気にしないでいきたいとおもいます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ