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第四王子の奇行物語  作者: 秋鐘 要
幼少編
10/31

9話

この世界に転生してたぶん三年は経った。


今日はなんとベビーベッドから隣の部屋の大きなふかふかベッドに移されていた。


今日もまた起こしてくれたイケメンお兄さんことアルナイルさんは綺麗な顔で微笑んでくる。


「おはようございますユアルス様」


「………おはよう……ごじゃいます」


まだまだ拙い発音だが挨拶する。

するとアルナイルさんは目を丸くする。


え?なになにどうしたんだよ


「ユ、ユアルス様………」


明らかに衝撃を受けたという顔はイケメンが台無しでついつい笑ってしまった。

そしてもっと大きく目を見開く。


ちょっとほんとになんだよ。


疑問に思いつつも大きなベッドから起き上がり床に足をつき部屋を出た。



朝食も終えて今はふかふかソファに座り本を読んでいる。


「………」


なんだろう、すごい視線を感じるんですが……。


チラッと見るとそこにはアルナイルさんが俺をガン見してくる。


え?ガチでなんだ。

考えを巡らしていると隣から声がする。


『ユアルスって動かなかったじゃん今まで』


土の精霊のセイが呟く。

え?そうだっけ?


『あの人たちに向かって喋らなかったし笑わないし………気づいてなかったの?』


同じく土の精霊のセラが言う。


………あれ、もしかして俺が一番危惧してた流暢に話しはじめて怖がられてるパターン?


…………。


まぁいいんだ。もう話しちゃったし。


「ユアルス!おはよう!!」


勢いよく飛び出してきたのはこの部屋にくる数少ない人の一人である俺の兄貴らしいカストル兄様。

それと、エルヴィスさん。


そして入ってくると同時にアルナイルさんと同じく固まる。


「……………ユ、ユアルス……お前たてたのか?!」


はい。立てました。


驚いた表情で俺に近寄ってくる。

「兄上はなぁ!お前がなにか障害でもあるのではないかと心配していたんだぞ!!」


まぁ今まで動かなかったんじゃそう思うよな。


「か、かしゅとるにぃしゃま……」

カストルの勢いがすごすぎて声が小さくなる。

カストルさん……怖いっす。


「…………」


そしてまた唖然とした表情をする。


「エルよ……聞いたかい?今、今ユアルスが俺のことカストル兄様と!!!」


感激のあまり泣き出してしまったカストル。


なんつー兄貴だ。


「しかとこの耳で聞きましたよカストル。よかったですね。実は私もユアルス様は喋れないのかと危惧しておりました」


というクール系男子エルヴィス。

アルナイルさんの隣に座るエルヴィスさんはかっこいい。


俺を膝の上に乗せてくるカストル兄様。


「おぉユアルスユアルスよ!」


ぎゅっと抱き締める兄。

俺そういう趣味ないんですけど……まぁ子供だから仕方ないんだろうけど。


「……どうしました?にぃしゃま」


「ユアルス俺はお前といつ話せるか待ち遠しかったんだぞ!」


暑く語るカストル兄様。

そうかいそうかい。

そう言ってくれて嬉しいぜ。


嬉しくなってついつい笑ってしまった。


「ユ、ユアルスが笑った!!!」


またまたオーバーリアクションをするカストル兄様。大袈裟だよ。


それからまるですべてが新鮮とでも言うかのようにカストル兄様に引っ張りだこでくたくたになるのだった。





カストルったら大袈裟と思うかもしれませんがガチの方で実はユアルスが動かなかったのでみんなで心配していたのです。


無事動いてよかったね!

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