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8話

ところで私の身なりは地味だ。


おばあちゃんは着道楽で着物が大好きだったが、私はさっぱり興味がない。


何度も「オシャレしなさい。」と言われたが、雑誌を見てもピンと来ない。


身長150センチ、体重60kgなら、さもありなんだ。そもそも似合う服を探すのが難しい。


髪は長いのが鬱陶しくて中学生の時に切ったきり、肩より長く伸ばしたことがない。


化粧も粉をはたいて眉を描くのがせいぜい。

受付の時にはとりあえずシャドウだのなんだのやってはみたが、

ファンデーションをつけると皮膚呼吸が妨げられる感じがどうにも好きになれなかった。


奥に引っ込むことになったときには、毎朝の苦行から開放される喜びで祝杯を挙げた。



しかし、そんなユルダラっぷりをザックリ斬られる羽目になる。


オーナーの目指すカフェでは、店内も店員もオシャレでなければならぬ・・・らしい。


「ちょっと、ハナさん。おばさんくさっ。もうちょっとマシな格好しなよ!」

「えー、めんどくさい」

「女捨ててる。」

「うん。私、在家出家の尼でいい。」

「はぁ?なにそれ。尼さんがカフェで働いてていいわけ?」

「いいんじゃないのー。職業選択の自由が保障されてる国ですから。」

「だったら、今すぐ尼になれ。寺行け、寺!」


給仕を担当している前川翔がいつものように絡んでくる。


働く時は支給のユニホームがあるし、別に困らない。私服がどうあろうと関係ないじゃないか。

別に翔君とお付き合いしているわけでなし。


「まぁ、でも。ハナちゃんは少し、自分をかまったほうがいいと思うよ。」

「オーナーまで!」

「ハナちゃん、色白いしさ。ちゃんとかまえば可愛くなると思うよ。最近やせたし。」


たしかに。一日中座りっぱなしから立ちっぱなしに激変して、それでなくてもやつれたのに追い討ちかかってなくも、ない。


「・・・・・何着ていいかわからないんだもん。」

「はい?」

「やせたのは最近だし、それまで合う服見つけるのが大変だったくらいで、オシャレとか無縁だったし。何着ていいかわからない。」

「・・・・・・・。」

「俺の姉さん、紹介しようか。」

「翔君のお姉さん?」

「隣町で美容師やってる。歳も近いし、たぶんちゃんとオシャレにしてくれる。」

「でも。」

「ハナちゃん、お願いしてみたら。俺、ハナちゃんの可愛くなったとこ、見てみたい。」

「かっ、かわ・・・」

「いいねー。よし、姉さんに連絡してくる。」


なんなんだ、よってたかって。


「ハナちゃんって面白い。顔赤いよ。」


言われなくても、自覚してます!もう、放っといて!!!


「健太郎には感謝だな。店だけじゃなくて、こんなイイ子まで紹介してもらって。」


さあさ、店を再会しよーといいながら、オーナーは表へ出て行った。





--------どんなに可愛くしたところで、健ちゃんに惚れられるわけじゃない。



中学生の時の、苦い思い出が甦った。

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