鬼畜(99)
「・・・・・」
「?」
それから、空は黙りこくってしまう。
「・・空?」
「・・・・」
どうしたんだろ・・
ギュ・・
「ぇ?」
抱きしめてる力がまた強まる。
「ぅ・・」
くるしいくらい抱きしめてくるっ
「そ、・・空っ・・」
「俺・・耐えられなくなってた。」
「え?」 ぅ・・
「毎日が、そいつに見張られてるカンジで、もうどうしようもなく追い詰められてた。
麗騎士以外、外へ出ることもできなくてな。ガッコも1年ダブったんだよ。」
「え?!」
1年??え??
「ホントだったら今、2年。美未香の1コ上。」
「はっ?え~~~~~~~~~~~~~~っ?????」
思わず、バッと空から離れて顔を上げた!
「に・・2年生??え?ガッコって1年も休めるもんなの??」
「ん、成績は良かったから、退学はさせられなかったってトコ?学校側には病欠ってコトになってるし。まぁ・・実際そんなもんだし。」
え・・?え・・?え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~???
「せ・先輩。」 一応呼んでみた。
「・・・キモいからやめろ」
「だって、先輩。」
「てめぇ」
ギュ
「たっ!」
ほっぺたをつままれ、あえなくギブアップした私は、そこへしゃがみこんで、頬をスリスリとした
いて~よっっつたく!!ぶーたれながらそうしてると、
「新学期が始まった頃、さすがにこれ以上休むワケにはいかねーから、とりあえず学校へ行ったんだ。もちろん相馬の変装して。」
「・・・・」
「教室にはいった途端、でかい笑い声が聞こえてさ。」
「?」
「お前の声。」
「へ?」
「すげぇ、楽しそうなの。」
「え?」
「なにがそんなに楽しいのかってぐれぇ、ははっ」
ソレを思い出したのか、空は可笑しそうに笑った。
ぶ~
「・・そして、そんなお前の事が、羨ましくなった。毎日を楽しそうに生きているお前が・・」
「ぇ・・」
「憎らしく思った・・。」
「!」 えっ?
「だから、お前が麗騎士に行くって聞こえてきた時、わざとあの場で出会わせた。空として。」
「!」 え・・?
「お前の夢だったもの、お前の笑顔を崩してやろうって思った。」
「!!」
「・・だけど、
・・違ったんだ。」
「ぇ?」