鬼畜(93)
私・・
ダメ・・だよ
今、その言葉を言っちゃダメだよ、わかってるよねっ?ダメだよ、
「っ・・マジ・・かも」
ああぁ・・っ バカっ 私
「!!」
「・・」ぅ・・
「・・やっぱ、離れて行くんじゃねぇかよ。」
「え・・」
「だからっ、
言いたくなかったんだよ!くそ」
あっ・・・
違う・・空っ
「悪かったな、もう・・忘れてくれていいから。」
空はそう言って、掴んでいた私の腕を離して立ち上がる。
ち・・
違う 違う 違う 違う 違う 違う!!
「違うよっ!!」
「!!」
立ち上がった空を、
離れた腕を今度は私が掴んだ
「違う・・違う・・」 声が震える
ちゃんと言葉がでるかなっ
ちゃんと言えるかなっ
「なにが、違うんだよ、俺のこんな話きいてひいたんだろ。お前こそ、気ぃ使うな・・」
「違うってばっ!!」
もう叫んでいた!
震える体も声も、震える心に負けないくらいの叫び。
「嫉妬した!!」
「っ?」
「今でも、その人の事を思ってる空にムカついた!そんな人がいるのに私の事が好きだって言った空に腹がたった!!私の事を彼女にした意味がわかんなくってヒドイ事言った!――っだってだって
私っ・・空のこと好きなのに・・好きになっちゃったのに・・そんな大事な人が居ること聞かされて・・
ひどいよ・・・空っ・・っぐ・・」
あふれてくる涙がその口をふさぐ。
「!!」
涙だけじゃない・・っ
空の唇が私の口をふさいでる・・