鬼畜(9)
な・ん・な・の・よっ!!
ホントにこの鬼畜はぁぁぁぁぁ!!
マジ自己中!マジワガママ!マジ最低~~~~~~~~~!!
「ふん!」
こんな部屋に居てもしょうがないと思った私は、直ちに、扉を開け、元歩いて来た廊下をズンズン早足で歩いていった。
出口付近で、
「いってらっしゃいませお嬢様♪」
すぐにイケメン様たちが、見送りに来て下さり、名残惜しいがっ、その夢の空間を後にした。
「はぁぁあぁあぁ~~~~~~~~~~~」
途端、長いため息が出る。
今日は念願の執喫デビューだったのにっ・・
もっとウキウキな気分で帰るハズだったのにっ
あぁ・・コレもソレも、アレも、
すべてあいつ!鬼畜空のせいだぁぁぁぁ!!!!
く~~~~~~~~~~~~~
せっかく、バイトして、お金・・
え?
大事なコトに気がついた。
あ!私、お金払ってない!!!
えっ?でも、帰る時・・呼び止められもしなかったよ?
本当に登録済んだの?
ん、でも・・部屋に入った時点で、指名確定されたみたいだし。
・・それだけで、もう料金かかってるよね?なんで、すんなり出てこれたんだろ?
後ろを振り向いても、誰かが追いかけてくる気配もない・・
ん~~・・だけど、食い逃げ(あ、違う
入室逃げ?(変なの
だと言われるのヤだし、それに、そうなったら、りかちゃんにも迷惑かかっちゃうかもしれない・・
面倒だけど・・
回れ右をして、もう一度、お店に引き返そうとした。
その時、
~~~♪~~~♪
スカートから、着音が鳴った。
「?」
慌てて取り出すと、メールが届いてて、
送り主は・・!!!
≪空≫
は??なんで?空のデータは打ち込まれたけど、空の携帯には私のデータは入れてないハズ!!
恐る恐る開くと、
【おい食い逃げ。今日は皆忙しいから、明日届けにこいよ。】
だった。
食い逃げって・・私と同じ発想じゃん・・・
はぁ・・そっか・・皆様、お忙しいのか。
ん??明日??明日また来いって事っ??
あ!お金だもんね。早く払っておきたいよなぁ・・
でも、また、明日くるのかぁ・・
はぁ、ホントだったら喜んでお伺いするところなのに・・
空が居ると思うと・・
・・・・・・ん?
別にいつも空がいるワケじゃぁないよね?
今日も遅刻とか言われてたし・・
そうだ。空の居ない時間帯を狙って、他の優しく紳士なイケメン様たちにお金を渡せばいいんじゃん♪
ふふふふ♪
やっぱ、私って頭イイ~~~♪サエてる~~♪♪
それにしても・・
なんで、空から送信できたんだろ?
そんな疑問を抱えながら、私は家へと帰った。