鬼畜(88)
チュ・・ ん・・?
チュ んん・・・
チュ 「んー・・・」
なんだろ・・? ふっと薄目を開けると、
「げ!!!」
バッッッ!!!
「起きとけ言ったよな?俺。」
「は?へ?え?なんで・・」
私の家に、私の部屋に、私のベッドに、私の隣にっ!!
「なんで、空が居るの~~~~~~~~~~~~~~~~??????」
そう、そこには相馬くんに化けた空がベッドに横たわっていたっ!!
そして、舌をペロッと出し、
「ごちそーさま♪」 と!!?それはそれは妖しいフェイスで、イミ不明な事を言いやがるっ!!
「なっ、なにが??ごちそーさま??もっ、もしかして、私が寝てる間にそのっ、無理やり、やったんじゃないでしょうねっっっ///!!」 布団に包まりながら、そう叫ぶと、
「んー・・無理やりはキライじゃないけど・・」 へっ?キライじゃないだとぉぉ?!!
「寝てる相手とヤッてもつまんないし♪」 そ、そーゆーモンなのかっっ??
「出来れば、美未香の感じてる顔を見ながら・・の方が燃えるね♪」
なにうぉ??!!///
あ、朝っぱらから、なに変態発言満載させてんですかっ!!あなた!
一応、服の乱れを見る。スエットだから、あまりよくわからんっ!!
「安心しろ。キスだけだ。」
「ああ、そうなんだ・・・って、あ!??!!」 き、キス~~~~~~~~~~????だとぉ~~~
「はぁあっ・・っ、親に見られでもしたら・・も・・恥ずかしくて生きてけない///」
「親御さんなら、とっくに出かけていったぜ?」
「へ?え?今、何時??」
「8時」
「はぁぁぁぁぁ???」 ちょ、8時って、完璧遅刻じゃね??
「え?なんで??空、7時に迎えに来るって言ってなかった??」
「ああ。7時に来たよ。」
「ウソ!8時じゃん!!」
「お前が全然起きないからだろ。」
「起こしてくれればいいじゃん!」
「起きなかったんだよ、どんだけ、キスしても。」
「へっ!!??///なっ、」 どんだけってどんだけだよっ!!!
「どうする?」
「は?なにがよ!」
「ガッコ行く?」
「んー・・」
「それとも、ココで初体験しちゃう?」
「はぁっっ??!!////」
ニッコリ笑う笑顔の後ろに鬼畜のお顔が浮かびあがってますがっ??
バン!!
とりあえず、空を部屋から追い出し、大急ぎで制服に着替えた。
これ以上、空と密室にいよーもんなら、身の安全は保障されない!
とにかく、外へレッツゴーだい!!
部屋から、飛び出すと、廊下の壁にもたれかかってる空の腕を掴み、小走りで家から出た。
太陽!雲!空!緑! どうもありがと~~~~~う!(なにが?)
「いきなり、元気だな?」 後ろから、呆れた声で空が言う。
「まぁねっ!さぁ。ガッコまで、走るよ!」
「げ、マジ勘弁、俺、体育会系じゃねぇし!」
「いいから!」
嫌がる空の手を引っ張って、無理やりガッコまでダッシュさせた。
最後は、空に抜かれた。(なんでだっ!
そんな私達を学校の皆が見逃すハズもなく、
≪2人仲良く、手をつないでの登校≫ は = ≪彼カノ≫ として、インプットされてしまった。
案の定、りかちゃんには、ドン引きされた!うぅ・・
そして、
会わないであろう人に会ってしまう。
「美未香ちゃん?」
うあっ!この声って・・もしかしてもしかするとぉ・・
そぉ~っと後ろを振り返る。
黒髪だけど・・この甘いフェイスは、まぎれもない
じ、神さんっっ!!
ひゃぁぁぁぁぁ!!どうしよ~~~~~~~~~~~~~~~~
「空・・相馬と付き合ったの?」
「う・・」 しゃべっちゃダメだよね、空にそう言われたもんねっ///
「なんで?」
「ぅ?」
「本気なの?」
「~~~~~~~~~~~~」 うわ~~~~~ん、どうすればいいの~~~~っ!!
「マジに決まってんだろ!」
「え?」 この声っ
「!!?」 振り向くと、後ろから、空・・相馬くんが歩いてくる。
「美未香、こっちに来い、」
「あ、う、うん」 その言葉に、急いで空の元へ駆け寄った。
空はすぐに私を背に隠すと、
「神、こいつに構うな。」 と低い声を出す。 んん・・いつもより、声が怖いっ。
空??
「ふ、俺は美未香ちゃんを心配してやってんだよ?空には近づかない方がいいって♪」ニッ♪
え・・?
「てめっ・・まさか」
「ははっ♪まぁ、せいぜい無事を祈るよ♪じゃ~ぁね♪」
「っ!」
?? なに??神さん何言ってんの??
チラッと横目で空の顔を見ると
「――!!」 う!鬼畜バージョンになってる!!!不オーラ全開で出まくってるっ!!
「そ、ら、じゃなくて、相馬くんっ?!」
あまりのその表情に、つい怖くなってしまった私は、グイッと袖を引っ張った。
「え、あ・・」 ソレに気付いて、空はこっちへと向きなおす。
あ・・良かった。 もう鬼畜レベル下がってる。
でも、さっきの神さんの言葉・・どーゆーイミなんだろ?
「あの、相馬くん、今の神さんの言ってた・・」
「大丈夫だ。」
え? 言葉を遮る様に、そう言われ、
「なんでもねぇから、お前は心配すんな。」
と、私の頭を軽くポンポンして、教室へともどってしまった。