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鬼畜(86)



空は、ハァ・・とため息をついて掴んでいた太腿を離し、壁にもたれかかった。


どうやら、ヤル気モードは回避したみたいだ!

助かった~~~っ!! すぐに、両足を閉じると、ソコへ座りなおす。

でも、なぜか正座(悔


ハァ・・も一つ、空はため息をついた。


「そら・・?」


「・・・・

   神だよ。」


「ふぇ??」 神さん??


「あいつ・・目ぇつけた女は、絶対にやっちまうから。」

「・・・へ・・?」

「今日のイベントん時で、わかんだろ?」

「あ・・」  そういえば・・神さんにキスされちゃったんだ・・私・・


「あのまま、あの会場に居れば、ぜってーお持ち帰り決定だったかんな。」

「えっ??」


「だから・・」


あ・・


「だから、帰れって言ったの?」


「・・ああ。・・俺の目の届く範囲だったら問題ねぇんだけど、イベント中にソレ無理だろ。」

「う・・ん」

「ハァ・・まさか、神のヤロが出てくるとは思わなかった。」

唇を歪ませてそう言葉を吐く。


んー・・と、ココまでの話を整理しないと・・

つまり・・神さんは実はとっても女癖が悪くて?すぐに犯っちゃうらしくって?

でもって、ソレは空的には許せないから?

だから、今、犯っちゃおーとした? 

え?

「なんで?」

「は?」

「えっと、それでなんで、やらなきゃならなかったの?」 て、まだ、してないケド!


「・・お前、俺の話ちゃんと聞いてたか?」

「え?あ、うん・・」 たぶん


「理解できてないんだな。」

「ああ、たぶんソレ!」

「たぶんソレって・・ハァ・・マジ殺してぇ。」

「はひ??!!」 なんで、そうなんの?なんで、殺人願望高まるワケっ??


「お前は俺のだろが、だから、お前の処女を貰うんは俺に決まってんだろ!」

「へっつ??!!///なっなにソレ??私の意思は~~????!!」

やっぱり、無視かよ~~~~~~~~~~~~~


「俺のこと、好きなんだろ?」

「は??///」


「自覚しろ。」

「うっ////」

真っ直ぐに見つめてくる瞳。ソレは鬼の目でもなく・・優しい目でもなく、強く意思を持った目。


・・・・

「・・・ぅ・・・よく、わかんない。・・たぶん今も・・まだ、実感わかない。

空の言う事は本当かどうかもわかんないから、私はいつも不安で、疑問だらけで・・

大嫌いなハズなのに、  毎日、空のコトで・・頭の中がいっぱいになってる。

なんでか・・わかんないケド・・。 」

声が震える。 ホントはわかってる。

わかってるけどっ、・・空のコト好きって決め付けちゃうのが怖い。


「お前は俺の救いなんだ。」

「え・・?」

「・・・お前と出会えたから、俺は今でもこうして生きてられた。」

「は・・?」  生きて・・って。

またあの瞳・・

空が言った言葉にウソはなさそう・・

でも、どーゆうコト??私が救いだなんて・・?

私と出会ったからって??

生きてられた・・って??


「・・・・ごめん空。私、なにがなんだか。」


「・・俺が好きか?」

「え?」

「好きだろ!」

「へ?」

「言え!」

「はっい??!!」  なっ、なんだよ!今度は脅しかよ!!こ、こえーしっ!!!!!


グイッ

「言え。」  

顎を手で持ち上げられ、顔を近づけながらさっきとは打って変わって甘い声でそう聞いてくる。

はう/////あ、アップで、しかもそんな声で言わないでくれいっ/////


「好きか?」

「あ・・」  ヤバイ・・

「言えよ。」

「ぅ///・・す・・」 あ・・

「ん」

「す・・  き・・ 」/////////////////

どっえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!

いっ、言っちゃったよっ!!ヤバイ言っちゃったよ!!つーか、言わされちゃったのかっつ???!!

ああああああああっ///////////

ヤバイ!不覚もいいトコ!!

声に出して言っちゃうと、実感しちゃうんだってば~~~~~~~~~~っ!!!!

いままで、なんとか誤魔化してきたモノが現実になっちゃうんだってば~~~~~~~~~っ

「ううっ・・////」  だから、だから言いたくなかったのにぃ~~~~~


キッと、空を睨みあげる!  と?????

「え??」

なに、??空っ、自分の手で口を押さえて・・いや、顔半分くらい隠して・・る?

私に近づけていたハズの空の顔は、いつのまにか、離されていて、

向こうをむいてしまってる・・。  ???


「そ・・ら?」

「・・・・・」

「どうかした・・  

   の・・?」顔だけ、回り込むようにして、覗いて見る。

「!!!」 


え・・・・


なにその表情・・。電灯の光でもわかってしまうホド、赤く染まった顔。

あの鬼畜の面がそんな色に変色するなんて・・そんな・・


も、もしかして・・

「そ・・ら? 顔・・」  もしかして・・


「あと、5秒待て。」


もしかして・・


「空、もしかして、ホントに私のコトが好きだったりする?」

「!!」

「さっき、出会ったって言ったのって・・もしかして」

「!」

「私に、一目ぼれ?!」

「ガクッ!」

「はっ///??!!なにそのガクッって!!声に出すか!?ソレ?」

「いや、お前らしい勘違いだ」

「は?///」 か、勘違いだとぉ~~!!

だったら、その真っ赤っかに染まった顔のこと、説明してみやがれいっ!!

「はぁ・・笑いこらえんの大変で。」

「は?」

「お前の顔、近くで見れば見るほど、可笑しくて。ぷぷ」

「なっ////」 にぃうぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~??????

「はは♪」

「はは♪じゃない!それが女子に向って言うセリフかぁ~~!!」

「女子じゃねぇ、彼女だ。」

「へ?」


「・・俺の・・彼女。」 ニッコリ♪

「っ//!?」 ズッキュンーーーーーーーーっ!はぁうぅぅっ//// 悩殺スマイル発動―!!//////

しっ、しかもっ、か、彼女って!!俺のって!!

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ//////////////////

こ、こんなんで、大丈夫かなっ!?たったアレだけのセリフで、毎回こんなんになってたら、命もたんぞ??


「美未香。」

「へっ!はっ!」 なんだ?その返事はっ////!!


「俺を信じろ。ぜってー裏切んねぇから!」

「―――――!!」 


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