鬼畜(7)
そ・・ら・・
あ、さっき入口にいたイケメン様が、この鬼畜の事をたしか「ソラ」って・・
言ってた。
「そ・・ら?」
「ん?」 あ・・やっぱり。
・・・だけど・・こんな優しい・・顔も・・するんだ。
ドキンッ//// 「--!!」
だぁっ!なにときめいてるのよ私っ!!違う違う、絶対にこいつは優しい顔なんてしないっつーか、持ち合わせてないって!!見間違いだよっ絶対!!
削除削除!! 指をせわしなく動かせ、削除しますのOKまで辿り着いたトコロで、
プチ 「え?」
え~~~~~~っつ??!!
ちゃっかり、私の指の間にソラの指がっ入り込んでてっ!
く、クリアボタン押されたし~~~~~~!!!!
「だから、!!なにすんの!」
「だ・か・ら、なんで、削除しよーとしてんの?」 反対に聞かれた!
「だっていらないもん!」
「1日1回、電話かメールよこせ。でないと、家まで押しかけんぞ♪」
人の話はスルーかよ!「は?なにソレ!それに家ってたって、知らな・・」
そう言いかけて固まった。
空の手にあるものを見て・・
バッ!ポケットに手をやる!
無いっ!!
その手にあるもの。ソレは、私の学生証!!
登録に必要なものは全てスカートのポケットに入れていたから、たぶん
携帯を抜き取った時、一緒に獲ったんだろう。
空は私の学生証をヒラヒラとさせ、
「鈴木美未香。三条高校1年♪ね♪ふぅ~~ん」 と、言って二ヤッと笑う。
??なにその笑みは??!!
「返して!」
「登録済んだらな♪」
「は?」
「ココの登録まだなんだろ?なんも、システムわかってねーし、」
「あ・・」 ごもっとも・・
ていうか、登録すんの3ヶ月後にしようかなっ
あ!ソレいい!そうしよっ、そうすれば、こんな奴に・・
ピッ!
「え?」
「ん?今スキャンしたからな。もう登録済♪」そう言って空は備え付けの電話をいじくりまわしてる。
はぁつ??なにこの部屋はマジック部屋ですかぁぁぁ???!!!
「電話自体が複合機だから、マジ楽でいいよなぁ。」
全然。私、無視ですかぁぁぁぁ??!!!
「あ?」
その気配に気付いたのか、やっと空は、私の方へ向きなおした。
そして、携帯の時と同じく学生証も投げてよこす。
私は犬かっ!