鬼畜(69)
「はぁ・・」 大きなため息を一つついて、空は俯く。
俯いているって言っても、背が高いから、私からはその表情がまる見えで。
いつもの・・瞳の、煌き(鋭い眼光)が無い。
?・・なんで?そんな目してんの?
つーか、もともと、なんで、こんな風になってんの??
なんかさ・・これじゃ、まるで恋人同士の痴話げんかみたいじゃん。
私達、そんなカンケイじゃないしっ!///
へ・・「へんなの。」
つい言葉が出てしまった!
「お前がな。」
「は?」 どーゆーイミっすか??!!てか、そーゆーイミでの『へんなの』じゃぁ、ないんですケドっ??
「スキつくりやがって!」
「は?」
だ~か~ら~
「やっぱ、どんくせぇ女。」
「は?」 ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ??????!!!!
「お前・・帰れ。」
「は??」
その言葉のすぐ後に、扉の向こうから、「準備できましたか?」と、空を呼びにきたと思われる執事様のお声がする。
「車、手配しておくから、ソレ乗って行け。」
「は?」
空はそう言うと、私の腕を掴んで、扉の近くまで追いやった。
「はっ??」 ちょっ、ちょっと、まだ、私、反撃に出てないっすけどっ!!
でも、空はそんな私にお構いなく扉を開けて、外へと放り出した!!
くそ~~っ!!放るなよっ!!私は人間だぞ!生ゴミじゃないんだぞ?!!
迎えにきていた執事様が、放り出された私を見て、一瞬驚いた顔をする。
が、
すぐに、空が
「こいつ、家まで送って行って。」とだけその執事様に告げると、さっさと部屋へ戻ってしまった。
「空っ!」 私の呼びかけにも返事しない。
扉は開いたままだけど、花のせいで空の姿はよく見えない。
つーか、私、『は』しか言ってねーし!てことは、私の意見は聞く耳無しかよ!
丸っきりスルーかよっ!!