鬼畜(58)
何も言葉がセレクトできなくて、ワタっていると、その目の前を、空は普通にスルーして行く。
「へ?そ、空っ??」 フォロー、待ちきれませんでしたかっ??
私の声に、「もう準備しねーと、な。」 と、ネクタイをヒラヒラさせ、ドレッサーのある部屋へと歩いていってしまう。
「え、あぁ・・あの」
それでも、言葉に詰まってしまってる私に、
「制服じゃ、イベントに参加できねぇぞ。」 と、軽く微笑んでお花畑の中へと消えた。
「・・・・・」
結局、さっきのカミングアウトなお話は中断され、私は1人、ポツンと部屋に残された。
隣の花畑からは、ドライヤーの音が聞こえてくる。
この後、私どうしようかな・・
制服だし・・コレだとイベントには参加できないらしいし。
ていうか、別にイベントなんて行く気なかったし!
それに、
これ以上、ここにいても、空は忙しいだろから、さっきの話の続きはしないだろーし
(↑や、私が無理なんだけどね!返答準備できてないっす!申し訳ないっす!!
はぁ・・
んじゃ、帰ろか・・な
そう思って立ち上がり、ベッドルームらしき部屋を出ると、
お花に囲まれて、髪をセットしている空と目があった。
うわっ、きまずい!
でも、かっこよさが増してやがる!///ちっ!
顔が赤く染まる前に、
「まぁ、イベントがんばってね。」 それだけ言って、さぁ帰りましょ♪と、お花を掻き分け出口へと行こうとした。
「来ねぇの?」
「え?」 その言葉に振り向くと、キレイにセットされた髪とネクタイをちゃんと結び直されたスーツ姿の空が、あの瞳で睨んでいる。
「--!!////・・え?どこに??!」 んな目で見ないでよっ!あ、焦るっ!!//
「どこに・・って。」 はぁ・・とため息をついて、私の側に近づいてきた!
ジリジリと壁側まで、追いやられ逃げ場の失った私!それを上から睨み下ろしてる!!
こえ~よっ!!////