鬼畜(4)
「あのぉ・・言ってるイミがよくわからないんですけどぉ・・・」
眼光に固まりながらも(メデューサかよっ)、そう聞くと、
「飲み物はどうされます?お嬢様♪」
いきなり、さっき聞いたあの甘い声が、眩暈しそうな微笑みを付けて、目の前にいる鬼畜の口から・・
出・・た・・
「て!!!っえぇぇぇぇっ???」
思いっきり叫ぶ私の声に鬼畜は耳を塞いで、一歩下がる。
「っせーねっ!」
「だっ、だっ、だってっ!!そっ、そ、そんなっ」
言葉にならないっ声を出し、私は鬼畜から10歩下がった!
「なに、その距離。」
あきらかに不機嫌な顔で聞かれる! 「うっ・・」
「ま、お前には使わねぇけど、この営業用は♪」
そう言って、口角を上げ、近づいてくる。
「ちっ近づかないで~~~~っ!!」思いっきり、両手を胸でバッテンし、身構える。
「は?俺の客だろ?なに言ってんだよ今更。」
「は?」 客?誰が?誰の?
大体、100歩下がって客だとしても、
ココは、あなたの方が客に仕えなきゃダメなんじゃないのですかっ??
コレって、ど~みても、私に仕えてないよね??!!
「俺の客になれるなんざ、奇跡だぜ、お前♪」
「は?」なになになに言ってんのこいつ???
たしかにっ!!ムカつくけど、目つき悪いけど、性格もちょ~最悪だけど、
鬼畜だけどぉ!
ムチャクチャイケメンだってーのは認めるよっ!!認めたくないケドね!!ホントはねっ!
だ・け・ど!!!
「私はあなたなんて指名してないですからっ!」 「?!」
「もっと、優しくて紳士な人が好きなんです!」 言ったぁぁぁぁ!!!
顔見てはさすがに言えなかったけどっ!ちゃんと言ったもんねっ!