鬼畜(34)
「わ・・・ぁ」
でっかい夕日・・こんなまん丸のままの夕日なんて初めて見た。
・・・キレイ・・・
「気に入った?」
「え?」
その声に、目線を落とすと、壁にもたれて座り込んでる空の姿。
「あ・・居た。」
「は?」
「あ、ううんなんでもない!」 あはは・・
はぁ・・よく見ると、そこは屋上で。つーか・・徒歩でここまで上らされたんかい!
そりゃ、くたびれるハズじゃん!
私は、そこに恐る恐る足を踏み入れると、まん前のフェンスに近づいた。
やっぱり・・キレイだなぁ・・夕日なんて、こんなにじっくり見たの久しぶり?初めてかも?だよ。
「太陽も・・空もでけぇだろ?」
空が後ろから、そう投げかけてくる。
「・・うん。」
そっか・・空がこんなに見えるから、夕日もこーんなに大きいんだね。
「ここへ来ると、飛びたくなる。」
「へぇ・・・ って、えっ???」 と、飛びたくなるって!??そ、それってもしかしてっ!!
思わず、空に駆け寄った!
「ん?」
「あのっ、空、何があったか知らないけど、その、ここから飛び降りるのはやめた方がいいからねっ!!落ちた後、すごいんだよ??悲惨なんだよ?」
「・・・・は?」
「えっと、だからね、じ、飛び降り自殺なんてバカなコト・・っ!」
「ブッ!」 「はっ??!!」
「あはははははははっ♪♪♪」
突然、大笑いをする空。
????!!
「なっ、なによっ!!///人が心配してっ・・」
「ふはっ♪俺が投身自殺?」
「そ、そうよ!ソレしかないじゃ・・え?ち、違うの??」
「普通に鳥願望的なイミで言ったんだけど?」
「え???!!!////」
ひゃ~~~~~~~~~~~~~~っ!!とんだ勘違い?????
えっ?だってだって、さっきの空の言葉は、そうとしかとれない言い方だったよ~~~????まっ、紛らわしいったらっ!!
「ま・・羽があっても、飛べないけどね、俺。」
「え・・?」
そう言った空の瞳は、今まで見たことない・・何も写ってないカンジで。