鬼畜(159)
「俺だ。」
扉の前でオーナーが低くそう叫ぶ。
中からの応答は無い。
つーか!普通、俺だって言われたくらいじゃ開けないんじゃね?
無反応な扉に濠を煮やしたのか、オーナーはなにやら胸のポケットに手を入れた。
ハッ!まさかっ!!もしやっ!なんか飛び道具とかじゃないでしょうねっっ??!!!
有り得る!ぜってぇこいつらなら有り得る!!
ヤバイそれだけはまずいよっつ!!!
なんとか止めなくてはっ!!!
「待っ・・」
ピッ
「へ?」 ピッ?
その不穏な音にオーナーの手元を見ると
カードのようなものを扉の取っ手の上部分に差し込んでいる。
アレ?飛び道具じゃない!?え?
あ、これっていわゆるカードキーって奴なんじゃないっすか??
そのカードキーをオーナーが引き抜くと、取っ手を下げただけで扉がスッと開いた。
え??なんで・?オーナーが鍵を持ってるの??
不思議な光景に戸惑ってる私にはお構いなしに皆さん、ゾロゾロとその部屋へと入っていぅてしまう!
「わわっ!」
何がなんだかわかんないけど、慌てて閉まりそうになってる扉をつかみ中へと入った!
セーフ――――――――――っっっ!!!
て!なに??この部屋っ??!!
入った途端目に入ってきたのは凄まじいほどの光景で。
壁一面にペンキか絵の具かわかんない赤と黒の色が飛び散ってて
玄関からすぐの床には布?切れッ端が散乱してて
「――!?」なんなの?
こんなトコに空がいるの??
前に居た4人の姿が奥の部屋へ入っていくのが見えた。
ドキドキドキドキ
私の足は皆のようには進んでくれない。
ありえない状況にガタガタと震えが止まらない。
でも、行かなきゃ、私も行かなきゃ。