鬼畜(154)
「ありゃ、間違いなく、絵里子の声だ、」
「は?」え・・りこ?
「空の・・元カノ」
「――――――――――――!!!!」
オーナーのその言葉に全く疑惑を持って居なかったと言えば嘘になる頭が動き出す。
電話口からの女の人の声って、やっぱり・・
お母さんとかお姉ぇちゃんかもって思ったのはただの私の望みであって、
ホントはホントは――・・
「空は絵里子んとこへ行くって出ていったんだろ?」
オーナーの言葉に、リクさんとりかちゃんが私の方を向く。
このことはまだ・・2人には言ってないこと。
今回の事は空と私の中で決めたことだし。
空の過去の事をベラベラしゃべるわけにもいかないじゃん・・
「空と絵里子の事なら俺もリクも知っている。りかは・・」
「少し」 ぽそっとりかちゃんが答える。
え?あ、まぁ、オーナーは知ってるよねそれで色々と面倒してくれたって言ってたもんね空。
でも、まさか、リクさんやりかちゃんまでもが少なからず知っていたなんて。
そのコトにまず驚いた。
「りかはともかく、俺とリクと空は昔からのツレだからな。」
「へっ?」
次に驚かされたのはこの一言で!
い、いきなりなんのカミングアウトですかっつ!!??っつーぐらい驚いた!
「・・まぁ、この話はいい。空の携帯のgps機能で居場所を特定してっから、安心しろ。」
そういうと、オーナーはぐるっと椅子を回して私達に背を向けた。