鬼畜(149)
そんな事を思いながら後部座席に乗り込む私と隣にはりかちゃん。
それを確認してドアを閉め運転席に乗りこむ男の人に、
助手席に乗り込んだリクさんが「出せ。」 とだけ言った。
・・なんか、いつもとイメージが違うリクさんにまたまた??だったけど、
今はそれどころじゃない!
車の中で、私は取りあえず今日までの事を簡単に話した。
昨日のお昼に出ていったっきり空が帰ってこないこと。
そして、
私には連絡がこないことも。
それだけじゃ、別になにも心配する事じゃないんじゃない?って思うかもしれないけど、りかちゃんもリクさんも何も聞き直しては来なかった。
私の動揺ぶりを見てそう思ったのかもしれない。
そんな風に勝手に解釈してた。
当の私は、
言ってて不安と心配がもっともっと大きくなってきた。
早く早くどうにかしなきゃ!
「すぐに着く。」
そんな私の気持ちを知ってか、リクさんが短くそう告げる。
やっぱりいつものリクさんとはなんか違う。
その言葉通り、すぐに車は停車した。
外を見るとなんとなく見覚えがあるような無いような・・
「麗騎士関係者の入口だ。」
また短くそう言うリクさんは、サッと車から降りると、そこに立つ。
それよりも早く車を降りて後部座席のドアを開けてくれている運転手の人にお礼をいいながら車を降りると、その体をリクさんとりかちゃんがまた支えてくれた。
なんか、捕まえられた宇宙人のような格好で、通用口と呼ばれる通路を歩いていくと
鉄の柵のような門が現れた。
少し寂れてて重そうな感じ・・。
柵状になってるから、奥にもう1つ扉があるのが見える。
リクさんはまずその鉄の門を開け中へと私達を入れ、
その先にある門には、小さな機械が付いててそこになにやら数字を打ってる。
ピッという音と共にその戸がフッと開いて、かっ、からくり屋敷かっつ??!って思ったけど、
あえてそこはスルーして、その奥へと進んだ。