鬼畜(143)
結局、学校が終わっても空が帰ってくる事はなく
放課後になって部活動をする生徒たちの声がグランド中に響いてる。
そのまま、家に帰る気にもなれず、教室の窓からボーッとその光景を眺めていると
教室に誰かが入ってきた気配がした。
私はてっきりそれが空だと思って
「!――っそ・・らっ?」
声に出してしまった。
「え?」
その私の声に、こっちに向けたその顔は空ではなくて
相馬くんでもなくて。
同じクラスの男子だった。
「あ・・」 間違えたとはいえ、この名前を発してしまった
「そら?」
「え?あっ!、え~~と、そ、空が・・そのキレイだな~って」
なんとかそんなふうにごまかすと
その男子は私の横に来て窓の外に顔を出し、
「あーホントだね。」
と返答をしてくれた。
ホッ・・
と、したのもつかの間、
「鈴木ってさぁ、マジで相馬と付き合ってんの?」
「はふ??」
って!変な声を出してしまった!それくらい意表をついた質問をされた!
「なっ?///え?どうして?」
そんな事を聞くのっ?って続けるつもりが途中で止まってしまった!。
それは、私の言葉の途中でいきなり手を握られたから
「へっ?」
完璧動揺している私に構わず、その男子くんはまっすぐに見つめてくる
「あっ、あの!」
「どうして?」
「え?」
「相馬なの?」
「は?」
「鈴木は、あいつのどこが好きなの?」
「!」
あきらかに私の名前を知っているこの男子くん。
でも、私は顔しか知らない。名前も知らないただのクラスメートぐらいにしか思ってなかった人で。
その人からのその質問は非常に驚いた!
なんでこの人にこんな事を聞かれるんだろう?
なんでこの人にそんな事をこたえなきゃならないんだろう?
わたしは答えに困って黙り込んだ。