鬼畜(141)
月末の夜・・
「金が入った。」
仕事を終えた空はいつものように私の家まで着くと、その分厚い封筒を見せた。
中にどのくらいのお金は入っているかはわかんない。
でも、その厚みから見て桁外れな金額だとわかる。
「あいつに連絡もとった。」
「・・・・」」
「明日、会うことにしたから。」
「・・・・」
「・・金渡して、縁切ってくる。」
「・・・・」
「美未香?」
「え?」
「・・聞いてたか?」
「あ・・うん。」
「昼に学校抜け出して行ってくるつもりなんだけど。」
「お昼・・ご飯は?」 なんの心配してるんだかわかんなかったけどそんな事言ってた。
その時点で実はひどく動揺していたんだと思う
「ああ
・・どっかで軽く済ましてく。」
「・・・・」
「・・ん?」
「・・また、学校には戻ってくる?」」
「んー、話がまとまればすぐ帰ってくんよ。」
「・・まとまらなければ・・?」 なぜかしつこいくらい食いついた。
「・・そん時は、連絡入れる。」
「・・・・」
「美未香」
「ん?」
「・・いや、なんでもね。」 そう言った空は言葉を発せず代わりに金色の髪を掻き揚げる。
「・・?」
そして
「・・いや、やっぱ!」
「?」
「その・・だ、な。」
「?」
「・・抱きたい。」
「はっっ///??!!」
一瞬で真っ赤になった私の顔よりも、それよりも
その言葉を発した空の方が真っ赤になっているのがわかった。
ソレを見られたくないのか顔を俯かせてそっぽ向く空。
なんか、
その仕草が可愛くて、嬉しくて、さっきまで何を心配してたんだろうと思う。
私がコクっと頷きその腕に手を回すと、
空は少し照れ笑いをして歩き始めた。そんな仕草も可愛く思えてしまう
もうこりゃ重症だ。
少し離れた場所に空のバイクが停めてあって、それに乗りこむと
そこから程近いラブホへと直行した。
結局、空を中心に回ってるんだと痛感したのもこの時で、
でも、そうしたいと思ってた私が居たことも事実であって。
ラブホで行われた行為はすごく激しく、それが愛されてるってことなんだと勘違いしたのも事実で。
でも
実は・・違ってたんだね。
その行為の間中、空はずっと苦しそうな顔してたのを私は見逃してた。
その行為をしたことで私は安心してしまってた。