鬼畜(129)
「あ・・
・・・うん、昨日電話したんだけど、なんかお取り込み中だったみたいで、すぐ切られちゃったし・・その後も連絡ないから。」
「・・ふーん」
ふーん??え?それだけ?
「そ・・うまくん!知ってるんでしょ!教えてよ!」
↑これも小声で。
「めんどいからヤダ、りかに聞けよ。」
なっ!
そう言って、空は教室へ入っていってしまう。
んだよ!めんどいってぇぇ!!かりにも彼カノだろがっ!
彼女が聞きたがってることを「めんどい」だの「やだ」だので終わらせてもいいってーのかい??!!
き~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!
「なに、猿のモノマネやってんの?」
「なぬっ??」 後ろからする聞き覚えのある声に振り向くと
そこにはりかちゃんが立っていた。
「りかちゃ・・猿って・・」
「だって~真っ赤な顔して、き~~ってカンジ出してたからさぁ♪」キャハハッ♪と笑う。
はぁあぁ?!!////そんな顔してたのか!!私ぃぃぃっ////
は、恥ずかしいったら、も~~~~(><)
く~~~これもあれも全て空のせいだぁぁぁぁぁぁ!!!!
て!空?!
あ!そうだ!!
「りかちゃん!」
「ん?」
「ちょっと来て!」
私は、りかちゃんの手を引っ張ると、例のごとく女子更衣室へと連れ込んだ!
「なによ~美未香~襲う気?♪」
「あのねっ!」
「あ、制服ちゃんと届いたんだね♪良かった♪」
「あ、うん♪届いてたよ、クリーニングまで出してくれてありがと~♪
てっ!!違う!」
「え?なんか手違いあった?」
「え?ううん無い無い!すごくキレイに・・って!りかちゃん!!」
なぜか、話をずらそうとするりかちゃんに私は、聞いちゃいけないことを聞こうとしてるのかなって心配になってきた。
次の言葉が出せずにいて少し沈黙が続く。
でもその沈黙を破って口を開いたのはりかちゃんで、
「・・神ね、退学だから。」
その言葉は短いのに強烈で、
「っぇ・・」 言葉を失う。
そして、りかちゃんの言葉は続く
「その事を聞きたかったんでしょ?美未香が私をここに連れてきた理由。」
「・・う・・ん」
「・・元々あんなバイトは完璧校則違反だったからね。でも今までは、麗騎士でのバイトの事、学校側はわかっててあえて見逃してたのよ。」
「え?見逃す・・って?どーゆー・・」
「神のファンの中にPTAのお偉いさんの娘がいてね、圧力かけてたの、学校側に」
「なっ?え?そんなことできるの???」
「できるよ、お金もかかるけどね。」
「・・・」 言葉が出ない・・
「だから、学校でもあまり変装とかしてなかったでしょ神。」
「あ・・」 ん、ウィッグ付けてたりはしてたけど、空みたいに完璧な変装はしてなかったな神さん。
「え?でも、そのお偉いさんの娘が退学になんかさせないんじゃないの?」
そうだよね?今までだってそうやって来たんでしょ?
「今回は、麗騎士のオーナーが動いたからね、もう逃げ場が無くなったの。」
「?!麗騎士の・・オーナー??」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
りかちゃんと目を合わせたまま固まった。
麗騎士のオーナー・・
それしか私にはわかんない。でも、なに?その人が出てくるだけでこんなに状況が変わるもんなの?
りかちゃんの目が言ってる。
このことはもう聞くなって・・
りかちゃんにとってもそのオーナーって人は特別なんだ。
もしかして・・○クザ屋さんだったりして???
でも、空の事はすごく親身になってくれてるし・・
ハッ!もしかして!恩を売っておいてから、空の事をどっかに売り飛ばすとか????
だよね!よくドラマでやってるもんねっ!
空、キレーだから、絶対にそうだよ!それっきゃないよ!!
「違うから!」
「へっ?!」
「そっち系の人じゃないから。それだけは言っとく。」
「えええええええっっ??!!りかちゃんってば、やっぱエスパーだったの???」
「ソレも違うし。」
「だって、だって私の考えてることわかったじゃん!」
また見詰め合う。
「はぁぁ・・」りかちゃんは、深~~~~いため息をついた後、
「顔に出てるから。」
「は?」
「わかりやすいんだよね、美未香って、たぶん、空もわかってると思うよ。美未香の考えてることとか。」
「あ・・」 まさに思い当たる節が・・
空も何も言わなくても、なんでかわかっちゃうんだよね私の考えてること。
ん~~~~~~~~~~~~そんなに顔に出てるのかなぁ
「モロで出てるし。まぁ、そこが嘘がなくていいんだけどね~♪」
「ぷ~~~~~~~」
誉められてんのか、けなされてんだかイマイチ良くわからないがっっ?!
「まぁ、神も自業自得だよね」
りかちゃんはそう言ってロッカーにもたれかかった。
「ん・・
オーナーさんがどんな人だかは別として、なんでいきなり退学までの話になったのかなぁ?」
私のこの言葉に、りかちゃんは目を見開いて驚く。
「えっ??ああ・・もー空、ソレも美未香に言ってなかったんだ。」
「?!」
な・・なに??
「う・・うん」
頷く私を見て、一瞬考え込んだりかちゃんは、
「・・そっか、空の口からは、言いにくいよね。
・・・
・・ 昨日、あの後ね・・ーーー」