鬼畜(112)
「!!」
耳元でそう言ってきたぁ!
み、見破られたっ??!
「なっ、なんでっ??」 完璧なまでに変装したハズ!なのに!なんで??
「ふ・・最初はわかんなかったよ、さすがにね♪ でも・・
・・ 声は変えられないよね?」
「あ!」 思わず、なるほど!って顔をしてしまった!
「ぷ。マジ面白い♪、
あのね、ついでに言うと、ここのロビーの部屋持ちは幹部とNo.3までの執事しか使えないの♪」
「へ?」
「店長とマネージャー・・俺とリク・・と、 空。」
「え・・」
「あとの連中は、他のロビーに続く廊下の方。」
「!」
「昨日、今日の客がいきなり、ここの幹部の部屋なんて知らないだろーし?ましてや、看板執事の指名客なんかになれるハズはないからね。」
「!」
「リクの部屋を通りすぎたトコで、それが確信にかわったよ。」
「!?」
「その先は、空の部屋しかないからね。」
「ぅ!」
神さん・・ソレわかってて・・わざと、・・試した・・?
「その声・・空・・とくれば、もう美未香ちゃんしかいないでしょ♪」
「!」
ニッと笑うその笑顔になにか恐怖を感じた私は、
「いえ、迷っただけです。勘違いですよ、私そんな名前じゃありませんから。」
まっすぐに神さんを見てそう言い切ると、押し付けられてる扉から体を離そうとした。
でも、神さんの力は強くて、ビクともしない!
「ふー・・ん、そうなんだ♪ じゃぁさ、ちょっと遊んでいかない?君、マジ俺好みなんだよね♪」
カチャ
「へ?」
背にある扉のノブをいきなり回され、体重をかけてた私の体は、半分倒れこむようにして、その部屋へと入れられてしまった!
「ひゃっ!」
足を絡ませながらも、なんとか、倒れずにすんだことにホッとしてると、後ろで扉がパタンと閉じられた音がする。
「――!・・え・・?」 この部屋・・ もしかして・・?
「俺の部屋へようこそ♪姫♪」
そう言った神さんは、手を差し伸べてくる。
「// あの・・っ、私、帰ります!」
その差し出された手を避けて、扉に手をかけようとした
が、
ガッ!! 「――!!っぅ!」
両手首をがっちり掴まれ、そのまま引きずっていかれる!!
「なっ!やっ、離してっ!」 もがいても足をふんばっても、しょせん男の人の力に敵うわけがなく、
ズルズルと隣の部屋まで引っ張られて行く