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鬼畜(107)



授業が全て終わる頃、フッと空の席を見たが、既にそこには姿は無く。

は・・あいかわらずお早いご出勤ですこと。 と、嫌味の一つも呟きたくなる。


重い気持ちで、カバンの中へ、教科書を詰め込んでいると、

「今日行く?」 

と、りかちゃんが話しかけてきた。


「んー、ごめん。今、私、出入り禁止みたいで。」

「え?なにソレ?」

「・・空、お金いるから・・・・それで・・たぶん・・他のお客と仲良くとかするのに私が居るとジャマなんじゃないのかな・・」


はぁ・・わかってる。


そうしないと、稼げないもんね。 わかってる。

指名取らない分、どっかで客にサービスしないと、さすがにお店側だって給料だせないもんね。

うん・・わかってるよ

今月末、元カノに渡すんだって・・ソレが最後になるから多めに持っていくんだろーなって。

だから、いつも以上に働かなきゃなんないだろうってことも・・


・・・わかってる  ハズなのに、


はぁ・・


「あー、ソレはないない!」

「へ?」


「前もなんか、空、お金稼ぐって必死になってた時があったから。」

「え?」

「その時、裏方にまわって掃除とか雑用をしてたってリク言ってたよ?空の名で、イベントすればすぐに大金稼げるのに、わざわざ大変な裏の仕事の方を選んだんだって。」

「え・・掃除・・雑用?」

「そ! ちょ~忙しくて休む間もないのに、よくやるなって、リクも言ってた。」


~~~~~~~??


うそ・・


あの鬼畜が裏方??

掃除だと??雑用だと??


「そんな姿、見られたくなかったんじゃないの?空、No.1なんだし。」

「!」 

あ・・そうなのかな・・ホントなのかなソレ。

で、でも

「こ、今回は、違うかもしれない・・じゃない・・?」

小さくそう呟く私に、

「じゃ、こっそり、見に行く?」

「え?」 いや、それは・・

「確かめたいんでしょ?」  う・・そりゃ、・・

「大丈夫!絶対にバレない方法があるからっ♪」

なんと! 抜け道でも掘ってあるんですかっ??お嬢様っ!!

「いや・・たぶん、今美未香が思ってるよーなことは無いから。まずありえないからソレ。」

「!!」 がっ!!なんでわかるんだぁぁ!!空といい、りかちゃんといい

ち、超能力者じゃないのかっ!!

「まぁ、ウチにいらっしゃい♪ふふふ♪」

不適な笑みを浮かべたりかちゃんは、そう言うと、私の腕を掴んで、さっさと歩き出した。

い、いいのかっ!!

このまま、りかちゃんに身を預けてもっ!!

不安を抱きながらも、りかちゃんちへと向った。いや、無理やり、迎えの車へ押し込められて連れて行かれたっっ!!



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