鬼畜(106)
ウソ・・
「俺の家は麗騎士のあの部屋だって言ったろ?」
あ・・
ニッと笑ったその顔は、ホントの笑顔とかじゃなくて、投げやりなカンジの顔で・・
「んなことより、」
へ?
んなこと?今のが、んなこと?
「今月末まで、店に来んな。」
「は?」 なんだ?ソレ??
思いっきり話題を変えられた!
「今月、稼がなきゃなんねぇかんな。少しハードになると思う。・・」
だから??なに?
「お前に来られると・・困る。」
「!!?」
「かまってやれねぇし。」
!! 別にかまってなんかほしかねーよ!
なんだい!結局、他の客とイチャイチャするから、私が居るとジャマだっつーことでしょ!
「ふーん、
わかった。」
ゴソゴソと、まだ食べかけのお弁当箱をしまいかける。
「・・・・・」
「ホントに、わかったのか?」
「・・・・・」 なにがだよ。わかってるよ!死んでもそんな場面見になんか行かねーし!
「はぁ・・」
「・・・・・」 ため息つきたいのはこっちだよ。
「まぁ、わかったんならいい。時間だ、そろそろ教室戻んぞ。」
気付けば、昼休みの時間が、あと、5分で終わろうとしている。
何も、返事もせずに、お弁当箱を2つ持つと、
そこから、立ち上がって、空の後について行った。
教室に向う途中、
前を向いた状態で、空が
「・・明日も、食わせてくれんの?」
と、聞いてくる。
「・・・わかんない。」
「・・
そっか。」
すっきりとしない感情を抱えたままの私にとって、明るく「うん」とは言えるハズもなく、
そんな曖昧な言葉しか出てこない・・。
・・空が・・
悪いんだから・・ね。