鬼畜(104)
ハッ!と、そんなことより!!!
「そぉ・・っじゃなかった!相馬くん」
バッと振り向いて、空の方を向くと、ポカンとした顔して私を見てる。
「?どうかした?」席に近づいて、そう聞くと、
「・・いや、呼ばれるとは思ってなかったから、驚いた。」
と、少し戸惑ってる。
?
へんなの。呼んじゃダメなのかよ?
・・・まぁ、いいや。
「お昼ご飯一緒に食べよ♪」
「え?・・あぁ。」
「お弁当持ってきた?」
「・・ん、購買でなんか買ってくる。」
よし!
「今日は、買わないでいいから♪ふふ♪」
「?」
「裏庭へ行こ♪」
あそこなら人気も少ないし~
戸惑う空の手を引いて、私は隠しもったソレとともに教室を出た。
裏庭に着くと、やっぱりソコは閑散としてて、
明るい中庭とは違い、日陰だらけの裏庭は人気がない。
まぁ、隠し事してる私たちにはその方が都合いいんだけどね。
空は相変わらず、校舎の壁へともたれかかかって座り込む。
私も、すかさず、その横に座り込んだ。
「で?」
「え?」
「なんだよ、急に。昼、一緒に食べようなんて。」
「ダメ・・だった?」
「・・いや。」
?
なんだよ?
あ、そんなことよりっ!
「じゃーん♪」
今まで隠し持っていたソレを膝の上で開けて見せた!
「!」
ソレ、つまりお弁当~~♪
今朝、ママにも手伝ってもらって作ったのだ!!
なわぁんと!初!手作りっ!!(味は大丈夫かっ!?
ん?
「空?」
開いたお弁当を見て固まってしまってる。 ??
えっ?もしかしてまずそうなのかな?
キライなものばっかだったのかなっ??
「あ、あの、空の嫌いなものわかんなくって、その、食べられないものあったら・・のこし・・」
「コレ、全部食っていいの?」 いきなり、そんな風に聞いてきた。
「え、あ、うん。もちろん。」
「食う。」
ガバッと、膝からお弁当箱を掴んで、食べ始める空。
ガッ ガッ ガッ ガッ
・・・え~・・っと・・
その光景に呆気にとられてると、空の箸の動きが急にぴたっと止まった。
「?」
「美未香は食わねーの?」 チラッと横目で見ながら、そう言ってくる。
「あ、ぁあ、そうだった!」
空のあまりにも意外な動作に我を忘れて見入ってしまってた私は、その指摘にハッと
気付き、慌てて自分のお弁当箱を取り出した。
それを開けて、さて、食べましょう!と思った時、
なにやら
視線を感じる・・・
「げ!」
ソレは隣からで、
つまり空の視線で、
私のお弁当箱の中の何かをじっと見つめてる!
「そ、空?もう食べ終わったの?」 見られると食べにくいったら!
「うん。」
「もしかして、まだ、食べたりない?」 あー食べにくい!
「うん。」 なにをぉ!?
「コレも食べる?」 私の分がぁぁぁ~~
「うん。」 頷くのか!どんだけハラペコなんだい!!
「じゃ、はい」 ギュルルと鳴る腹を抑えて、お弁当を空の方へ差し出すと、
「♪」 それはそれは嬉しそうな顔を向けてきやがってるっつ///
く!
かっ・・
可愛いじゃねぇか~~~~~~~~~~~~~~~~っっつ!!!!//////
そ、そんな顔してぇっ!!!ずるいっ!!
んな顔されると、私のハラペコなんてどーでもよくなっちゃうじゃん///もぉ!!
すっごく嬉しそうな顔をした空は、そのお弁当は受け取らずに、じっとこっちを見てるだけ。
?
「空、いいよ、食べても。」 そういい足すと、
「食べさせて。」 と、口をあーんと開けるっ!開けやがる!!!
「○X△□~~~~~~~///////////////!!!」
なっ、なに!なになにぅぉ!!!/////
「その卵焼きだけでいいから♪」
なにをなにをなにをぉぉぉぉぉぉっつ!! /////
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキッ////////
「早く!」 そんなに早く食いたいのかっ、我慢の限界なのかっ!空の口調が強くなった!
「うわぁ!はいっ///」
ガチガチ ドキドキ 震える箸で、卵焼きを掴むと、空の口まで運んだ。
開かれた口へ、それを持っていくと、
パクッと、一口で飲まれたっつ!!!
ひっ!!
「ごちそーさま♪」
へっ?
両手を合わせて、満面の笑顔を浮かべる空。
・・・・・・
「あ・・の・・」 気になる。
「ん?」
「その・・」 気になる。
「?」
「お、・・美味しかった・・?」 感想が。