鬼畜(102)
散々泣いた後、だいぶ落ち着きを取り戻した私は壁にもたれてしゃがみこんだ。
隣に、空が同じようにして座り込んでる。
夕日・・
もうだいぶ沈みかけちゃったな。
街の灯りの方がキラキラしはじめてきてる。
その光景をボーッと眺めてると、
「月末・・」
「ん?」
「今月分の金、持ってあいつんとこへ行ってくる。」
「ぅ・・」
「それで、終わりにしてくる。」
「っえ?」
「いままでみたいに流されたりしねぇ、絶対にケリつけてくっから。」
「・・だ、大丈夫・・なの?」
これまでの話を聞く限り、かなりの(あるイミ)ツワモノと見たけど・・。
「ん。大丈夫。今度は俺、マジ退けないモンがあっから。」
「え?」
「お前に手ぇ出されちゃこまる。」
「!」
「俺の一番大事なもんだかんな。」 ニッ
「ぅ////!!」
今、泣きたいだけ泣いたのに、また涙腺がウルウルきちゃってるよぉ~///
もぉぉ~~~っ(><)
「空はやっぱり意地悪だ・・。」
体育座りして立てた膝に顔を埋めてそう言った。
「ん。お前にだけな。」
憎らしい言葉を言われてるのに口調が優しいから、またまた私の涙腺が緩んでしまう。
「泣き虫。」
「うるざい」
「お子ちゃまはどっちだよ」
「空”」
「やっぱ、死ね。」
ギュウ~~~ッと片腕だけで首を締め上げられたけど、今度のはちゃんと手加減してくれてて。
(おい!今までは全てマジだったのかっ!?全力だったのかい??
「信じてる。」
て、言葉が出てしまう。
空は、
「ん、」 と、にっこりと笑い、私の肩に頭を乗せてくる。
このまま・・ずっと2人で居れたらいいな・・。
≪このままどっか行っちゃう?≫
あぁ・・あの時も、
≪2人で≫
空・・こんなキモチだったんだ・・。
≪遠いトコロへ・・≫
そっか・・
うん・・今ならわかるよ。
私にも。
きまぐれでも・・遊びでも・・なかったんだね
私が思うよりも、だいぶ前から・・
こんなキモチを持ってくれてた
今なら信じられるよ
空のこと。
だから、 大丈夫。