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貧しい衛兵の話 プロローグ
シリーズでの投稿は初めてです。
どこまで続くか分かりませんが、話が完結するごとに追加していければなーと思います。
あるところに、貧しい衛兵がおりました。
一応男爵の生まれではありましたが、三男だったので家からは出され、生きていく為に平民となり、町の衛兵になりました。
といっても末端も末端。下っ端です。
給料は安かったですが、なんとか食べて行けました。
そんな衛兵には結婚を約束した恋人が居ました。
働き者で、冒険者ギルドの食事処で給仕をしていました。
結婚式を行うお金は準備できなかったので、せめて指輪くらいは・・と衛兵は給料を貯めました。
貯めたお金を持ち、いざ指輪を買いに出た時・・なんとスリに財布を摺られてしまいました。
失意の衛兵。そんな時、あるお伽噺を思い出しました。
この世の宝石という宝石。鉱物という鉱物を売る店がある。
自分が差し出せる一番の対価を持って、呪文を唱え、月が真上に上る時。一跳ねして一回転。
そうすれば、運が良ければ行くことができるだろう不思議なお店の話。