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白い人間なんて

作者: 井伊紀文

 白い人間なんていない

 お母さんだって看護婦さんだって

 好きなこだってちがう

 いいひとにはなおさら

 

 白い人間なんていない

 みんな悪いことして生きてきた

 いたずらだってするし

 人のものをとったりするし

 時にはだれかをこづいたりする


 白い人間なんていない

 いいひとはじぶんにきゅうくつだ

 ほかの人にばっかり 「あなた」ばっかり

 じぶんをいつも隅に追いやって

 他ばかりになってないかなあ

 

 白い人間なんていない

 誰だって助けようと思うんだ

 手を差し伸べたくなるんだ

 でもそれだって

 カメラで見たら実は傷をつけてたりして

 あんがい難しかったりする


 白い人間なんていない

 だれかを好きになったって

 その指先ひとつ お話一つが

 こっそり向こうを傷つけてたり

 それを隠して

 がまんしてみたり

 意外と難しかったりする


 白い人間なんていない

 だって当たり前だよね

 風に吹かれりゃほこりも付くし

 雨が降ったら顔は濡れるし

 大事なのは

 白くない自分がどれだけ好きか

 白くない自分をどれだけ抱きしめられるか

 

 白い人間なんていない

 そうやって認めてあげれば

 人間がもっとすきになる 

 

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