罪と罰
体育館の中からです。
「アイツだっ!!アイツが来たぞ!!」
「逃げろー!早く逃げろー!!」
「逃げるったってどこに…クソッタレ…」
体育館に不気味に谺響する悲鳴。それを聞く途端、口元が徐々に…次第に…緩む怪物。
「さぁて。悪い子はどこかなぁ?」
怪物は一歩。また一歩と逃げ惑う人間たちを追う。
「なんでこんなことするんだよ!お前は一体誰なんだよ!助けてくれよ……頼むよ」
「そーよ!!なんでこんなことするのよ!」
体育館に避難している全員の疑問である。
なぜサンタクロースが人を殺すのか。
そもそもこいつは何なのか。
なぜ指を鳴らすと人が弾け飛ぶのか。
公立の高校生には難題である。
一生を掛けても答えに辿り着くことはないだろう。
しかしサンタクロースは一点張りだ。
「悪い子はどこかなぁ?悪い子には罰。いい子には賞を。私のお眼鏡にかなうかな?」
サンタクロースが何をしたいのか。定かではない。
落胆して落ち込む生徒たち。顔は青ざめ、震えている者。糞尿を垂れ流す者。ここは他ならぬ地獄そのものである。サンタクロースがにやけ面で続ける。
「みんな悪い子なんだよね?私の話は聞かないし。話しててもつまらない。いっぺん死んでみますか?」
サンタクロースは校庭の時のように、袋から黒い箱を3つ取り出した。その禍々しい箱を生徒たちに投げ、指を鳴らした。校庭の時には聞き取れなかったが今回はしっかり聞こえた。
「罪人の黒」
そう唱え、箱が消えると同時に、人も破裂した。
もう逃げるほどの力は生徒たちに残っていない。
足が恐怖で動かないのだ。人が人で亡くなっていくのを、只々見るしかないのだ…
サンタクロース固有スキル「罪人の黒」
「対象者の罪の重さを瞬時に測る。基準値に達していた場合魂を奪い獲る。その時魂のなくなった肉体は爆ぜる。」
死ぬ者、生きる者、それは一瞬で決まる。なおかつ自分の今までのおこないで決まるのだ。
死を他人に委ねる他ないのだ。
3分の2の生徒は罪の重さで死んだ。残った生徒はもう生気を感じれない。死んだ方が良かったかもしれないと思うほどの深いトラウマが待っているであろう。
「3分の1が残ればいい方だねぇ。だけど、賞をあげる程の子は、居なかったなぁ。今年は不毛か。100年前が懐かしいなぁ。まぁ、私は優しいけど他のとこの私は怖いと思うよ?ホォッホォッホォッ」
不敵な笑みを浮かべた殺人者の声は、真っ赤な箱の中に轟いた。
その時、悲しくも無残に、救いのベルが聞こえてきた。
スキルとか考えるの大変( ´・ω・`)
かっこいい名前が思いつかない。
サンタさんのスキルが1個なわけ。。。