代償
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私は顔を上げもう一度自分の殺されそうになっている映像を見た、例えようも無い怒りが噴き出して来るのを感じていた。 いくら神様とはいえ、遊び半分で適当に決められて殺されるなんて絶対に許せない。
「さて、娘よ、ここからが本題だ。 単刀直入に聞く、このまま死ぬか? それとも運命に抗うか?」
「決まってるわ! このまま死ぬなんて、断固拒否よ!」
「宜しい、ではそなたが今迫る死を退ける為に力を貸してやろう。 無論代償は必要だがな」
代償と言う言葉を聞いて私はピンと来た。
「……貴方悪魔ね」
「ほう、中々聡い娘だ」
「神様の決めた運命に対抗しようだなんて、普通悪魔以外居ないだろうし。 代償が決定的ね」
「ははっ成る程、人も多少は賢くなるらしい。 それで、悪魔と知って怖じ気付いたかね? やはりこのまま死を選ぶか?」
「…………代償って何? やっぱり魂とかなの?」
「そうだな魂は魂でも、そなたの魂ではない」
ん? どういう意味? 私が考えていると声は言葉を続けた。
「考えてもみろ、仮にそなたがこの先、何十年と生きる間力を貸し続ける訳だ。 その代償が魂一つでは割りに合わないと思わんかね?」
確かに……私が仮に悪魔なら、長い年月力を貸して魂一つじゃ割りに合わないかも……でも。
「私の魂じゃないって言ったわね」
「ああ、そうだな」
「なら私以外、他人の魂を渡せって言うの?」
「そうなるな」
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