蝿、はえ、ハエ
どうぞご覧下さい。
「は、蝿?」
使い魔として送られて来たのは、蝿でした。 カシャカシャと前足を擦り机の上に止まりこちらを見てくる。
「あのっ……コホン、(あのー何故に蝿なんでしょう?)」
「私が蝿の王だからです、その子はとても優秀ですよ」
蝿の王って……いくらイケメンでも周囲にブンブン蝿が飛んでるのはちょっと勘弁かも、とか考えて無いで話を先に進めなきゃ。
(えーこの蝿が監視をしてくれるんですか?)
「そうです。 更に分裂して数を増やせます」
(分裂? 試しにしてもらっても良いですか?)
「構いませんよ、さあ見せてあげなさい」
ベルゼブブさんの声を掛けると蝿が小刻みに震えて行き、姿がぶれて2匹に見えたと思ったら、そのまま2匹に別れた。
「わっ凄い!」
更にそこから分裂を繰り返して、あっという間に32匹になってしまった。 感心しているとある事に気付いた。
(あれ? 1匹1匹が小さくなっている様な)
「良く気付かれましたね。 そうです分裂を繰り返して行くと、砂粒位まで小さくなります」
(成る程ー、確かにそこまで小さくなれるなら、人には気付かれずに監視が出来るって事ですね)
「そしてこの子達が見ている物をお嬢さんも見る事が出来ます。便利でしょ?」
めっちゃ便利! 蝿凄い。
ここまで読んで頂き有難う御座いました。